マンションを建て替える時期の目安はある?耐用年数や寿命を解説

更新日:2024年1月#タグ#タグ#タグ#タグ#タグ

マンションに建替え時期の目安はあるのでしょうか?
明確な基準はなく、それぞれのマンションによって異なります。
本記事では、マンションの耐用年数やマンションの建替えを考えるきっかけとなる事象、実際にマンション建替えが行われた築年数の情報など、マンション建替えの実施時期に関する解説をします。

マンションの耐用年数

マンションの耐用年数には、法定耐用年数、物理的耐用年数、社会的耐用年数があります。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、固定資産の減価償却費を算出するために定められた数値で、マンション(鉄筋コンクリート造)の場合は47年となっていますが、マンションの寿命を決めるものではありません。

物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、コンクリートや鉄筋などの資材が劣化して、性能的な限界を下回るまでの期間のことです。近年の鉄筋コンクリート造では、寿命は100年ともいわれていますが、同様の構造であっても、仕様や施工状況、立地条件、メンテナンス状況によって変わります。

社会的耐用年数

社会的耐用年数とは、設備や仕様の陳腐化により、不動産としての市場価値が著しく低下するまでの期間のことです。物理的な老朽化は進んでいなくても、居住性やバリアフリーの不備等により、不動産としての価値が低下します。

マンションの再生を考えるきっかけ

マンションの耐用年数は、「建物が維持できるかどうか」だけではなく、「生活する上で不具合がなく、快適に暮らせるかどうか」が判断基準となります。
具体的には次のような事象が、マンションの再生を検討するきっかけになります。

躯体や設備の劣化

マンションの躯体や設備を点検すると、老朽度の判定が可能です。具体的には、外壁のひび割れ、雨漏り、配管からの漏水などです。
築40年や50年を超えたマンションや団地の場合、上記のような劣化が進んでいることがあります。

■高経年マンションの現状や耐震性については下記の記事をご覧ください
築40年のマンションの将来像は?建替えも含めた再生の選択肢
築50年のマンションはあと何年住める?問題点や再生方法を解説

旧耐震基準である

建物の耐震基準はマンションの再生を考える大きな要素になります。
国内の建築物の耐震基準は建築基準法で定められており、1981年5月31日までに行政による確認を受けた建築物の耐震基準は「旧耐震基準」となります。
旧耐震基準は、震度6以上の地震を想定していません。旧耐震基準による建物すべてが、新耐震基準が求める耐震性を満たしていないわけではありませんが、満たしていない場合には、耐震改修や建替えの検討が必要です。

■旧耐震基準については下記の記事をご覧ください
新耐震基準はいつから?旧耐震基準との違いやマンションの確認方法を解説

維持管理の状況

定期的な修繕などの維持管理の状況も、マンションの寿命を左右します。
長期修繕計画が定められていない、修繕積立金が不足しているなどにより、適切なメンテナンスが行われていないマンションでは必要な性能が維持されていない場合があります。
マンションの維持管理の状況は過去の大規模修繕の記録などで確認することができます。

生活上の不具合

生活上の不具合や不便を感じるようになった場合も、建物の再生を考えるきっかけとなります。
例えば、オートロック等のセキュリティの不備、室内や共用部の段差等のバリアフリーの不備など、現代のライフスタイルや住む人のニーズに合わない設備や仕様が該当します。

マンションの建替えが実施されている年数

マンションの寿命は個々の事情で異なるとしても、実際に建替えが行われたマンションは、築何年くらいだったのでしょうか。
マンション再生協議会が公表している「マンション建替え円滑化法による建替え事例の一覧」によると、マンション建替組合の設立が認可された時点での、築年数の平均は約44年です。
一概にはいえませんが、築40年が再生の選択肢として建替えを考える時期のひとつの目安となるでしょう。

マンションを建て替える時期が来ていると感じたら?

所有するマンションの現状を鑑みて、マンションを建て替える時期が来ていると感じたら、どうすればよいでしょうか?
マンションは専有部分を除き、個人の一存で手を加えることはできず、管理組合として検討する必要があります。マンションの再生には建替えのほか、改修やマンション敷地売却といった方法があり、どのような方法を選ぶのが最適なのかは、マンションごとに異なります。
マンション再生の検討は管理組合だけでは対応できないことも多いため、マンション再生の専門家に検討段階から相談してみることをおすすめします。

記事監修
マンション建替え研究所 特任研究員
向田 慎二
資格:マンション管理士 / 再開発プランナー / マンション建替えアドバイザー
旭化成不動産レジデンスが参画した、多くのマンション建替えで管理組合をサポート

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