高経年マンションの課題に対応する方法としては、「修繕」(新築時の機能や形状の回復)「改修」(構造・設備の追加・改良)や「建替え」等があります。またマンション建替円滑化法が定める一定の要件を満たした場合には、行政による認定(特定要除却認定・要除却認定)を受けることでマンションと敷地を一括売却する「マンション敷地売却」、団地の一部を分割する「敷地分割」や容積率の緩和特例の利用も可能です。
採用する手法ごとに得られる効果や関係する法律も違います。また、修繕・改修が、建物の規模や工事の内容が類似していれば必要な費用も近い数字になることに較べ、建替えの場合はマンションの立地や建築に関する規制(容積率・高さ規制等)、利用可能な制度(マンション建替円滑化法による容積率の緩和特例、総合設計)等の条件によって、区分所有者の皆様の負担(経済条件)も全く違う結果になるので注意が必要です。
改修や建替え等の、マンションの再生では手法ごとに、「建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」)」「マンション建替円滑化法」「建築物の耐震改修の促進に関する法律(以下「耐震改修促進法」)」等によって規定があり、適用の条件や管理組合集会(総会)での決議成立要件※(普通決議・特別決議)が違います。集会で決議が成立しても、手続きや議案内容等に不備(法的な瑕疵)があれば、決議が無効になるリスクもありますので、該当する法律を理解し、不備なく手続きを進めることが求められます。
※修繕と形状・効用の著しい変更を伴わない改修及び改修は「普通決議」、形状・効用の著しい変更を伴う改修は区分所有者と議決権の3/4以上の特別決議、建替えは区分所有者と議決権の4/5以上の特別決議(単棟の場合)となります。。耐震性能が不足するマンションの耐震改修は「耐震改修促進法」の規定により普通決議による実施が可能です。(特別の影響を受ける区分所有者の個別の承諾は必要です。)