大規模修繕とは?改修や建替えとの違いや実施の流れを解説
更新日:2024年1月#タグ#タグ#タグ#タグ#タグ

大規模修繕は、マンションの建築当時の性能を回復させるために管理組合が行う共用部の工事です。一般的には12〜15年周期で実施します。
本記事では大規模修繕の必要性のほか、実施にあたっての注意点を解説します。また、マンションでは大規模修繕だけでは解決できない問題があります。築年数が経ったマンションについて、大規模修繕以外の再生の選択肢についても紹介します。
大規模修繕とは?
大規模修繕は、築年数の経過に伴い劣化した建物や設備を定期的に修繕することで、建築当時の性能を回復させるものです。管理組合として作成した「長期修繕計画」にもとづき、計画的に積み立てた修繕積立金を財源として実施します。大規模修繕の対象となるのは共用部分で、12~15年周期で行うのが一般的です。項目としては、屋上防水、外壁塗装、建具金物類、給排水設備などが該当します。「国交省のガイドライン」によると築30年前後からは、修繕ではなく交換や更新が必要になる部位、設備が増えてくるようです。
大規模修繕の必要性
マンションの構造や設備は時間の経過によって劣化が進んでいくため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
国土交通省の「マンション政策の現状と課題」によると、築40年を超える高経年マンションでは、鉄筋の露出や腐食、給排水管の老朽化などにより、生命・身体・財産に影響する問題を抱えるものが多いと指摘されています。
極端な場合、マンションの外壁等に使用されるタイルが老朽化によって剥落し、第三者が負傷する事故なども起こりえます。こうしたリスクを未然に防ぐためにも、大規模修繕を定期的に行うことが必要になります。

大規模修繕の実施にあたっての注意点
大規模修繕の実施には、工事内容や予算等について総会の承認を受ける必要があります。
大規模修繕工事の検討は、管理会社やコンサルタント等の協力を受けて進めることが現実的ですが、管理組合側の検討にあたっては理事会とは別に修繕委員会といった専門委員会を立ち上げることが一般的です。
大規模修繕に限界を感じたら、ほかの選択肢も検討しよう
大規模修繕は、マンションの建築当時の性能を回復させることを目的として、時間の経過とともに劣化する建物や設備を定期的に修繕することです。そのため、築年数の古いマンションでは、耐震性や設備の陳腐化など、修繕では対応できない不具合も出てくるでしょう。その場合は、改修や建替えなども選択肢となります。

大規模修繕と改修、建替えでは改善できる項目に次のような違いがあります。

※物理的には可能だが、手続きや合意形成のハードルが高い
■大規模修繕以外の再生の選択肢について詳しくは下記の記事をご覧ください
築40年のマンションの将来像は?建替えを含めた再生の選択肢
マンション再生の選択肢には、上記以外にも特定要除却認定マンションのみで利用可能な「マンション敷地売却制度」等がありますが、どの方法が適切なのかはマンションの状況や区分所有者の皆様の意向によって異なります。管理組合単独で再生の検討を進めることは困難なため、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
マンション建替え研究所は、マンション建替えを初動期からサポートしています。お気軽にご相談ください。
- 記事監修
- マンション建替え研究所
- 2011年4月開設。旭化成が注力してきたマンション建替え等において、検討の初期から合意形成も含めたサポートを実施。
幅広く蓄積してきた情報の集約・分析と課題抽出を行い、定期的に情報発信を行う。 - マンション管理士/再開発プランナー/マンション建替えアドバイザー等の資格を持つ研究員が、専門知識を活かして活動。
・管理組合等に対する勉強会やセミナーの実施、行政等主催セミナーでの講演
・国土交通省をはじめ行政からのヒアリングに対応、メディア向け情報発信および取材対応
・建替えノウハウや事例紹介のパンフレット作成、情報分析による「マンション建替え 調査報告書」の定期的発行 - 所属団体:(一社)不動産協会、(一社)再開発コーディネーター協会、定期借地権推進協議会等
著書:「Q&Aマンション建替えのすすめ方」他
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