~借地権と所有権が混在する複合用途団地の建替え~

池尻団地は1963年に首都圏不燃建築公社によって分譲された住宅125戸、店舗・事務所10区画で構成された5階建て3棟の店舗併用型の団地でした。通常のマンションでは土地に対する権利(敷地権)は所有権か借地権(地上権)のいずれかですが、池尻団地の場合は住宅が所有権であるのに対して店舗・事務所は借地権という複雑な権利関係でした。また、団地内に区分所有建物ではない建物(別棟の店舗用の倉庫)が存在したことから、団地全体としての建替え計画でありながら区分所有法70条の一括建替え決議が不可能※な団地でした。
※区分所有法70条では一括建替え決議は「団地内建物の全部が専有部分のある建物(区分所有建物)であること」が条件になっています。

店舗のバックヤードと倉庫

棟の間には公園がありました

~旭化成の取り組み~

管理組合の意向により、事業方式はマンション建替法組合施行とすること、また、施行再建マンションは所有権マンションとすることになりました。しかし、マンション建替法の権利変換手続きでは借地権を所有権化することが認められないため、マンション建替えに豊富な知見を有する弁護士の協力の下、権利変換手続きによらない形で施行再建マンションの所有権化を実現しました。
建替え決議では、上記の理由で区分所有法70条の一括建替え決議(全体の4/5以上と各棟の2/3以上の賛成)が実施できなかったため、棟毎に同法62条の建替え決議(すべての棟で4/5以上の賛成) を実施する必要がありました。過去の建替え検討では、複雑な権利関係の問題等から合意形成が進まず、計画が頓挫していた池尻団地でしたので、進め方やそれぞれの権利の評価については様々な意見がありましたが、個別面談や説明会を繰り返す中で区分所有者の皆さんのご不安や不信を解消していき、建替え決議はすべての棟で4/5以上の賛成で成立しました。
施行再建マンションの1階には店舗を配置しました。また、従前の団地に隣接していた公園は建替えに合わせて移設されました。

池尻団地の理事長が参加された座談会はこちらから
建替え経験理事座談会
池尻団地の区分所有者の皆様の座談会はこちらから
池尻団地居住者座談会

移設された公園と一体化した植栽

エントランスは2ヶ所設置

中庭に面したエントランスホール

エントランスホール

中庭と吹き抜け(吹き抜けの先は公園)