シニア期の猫の遊び:前編
猫にとって遊びとはなにか
気がつくと寝ていることが多い猫ですが、遊ぶことも大好きですよね。
とくに若い猫たちは遊びの天才か、というほど色々なもので遊んでくれます。
我が家には今9歳になる子と4歳になる子、2歳になる子がいるのですが、2歳の子がもう毎日毎日やらかしてくれて大変。
また、4歳の子との追っかけっこも激しく、怪我をしないかハラハラしてしまうこともあります。

そんな若猫たちを尻目に、9歳になるおばあちゃん猫はのんびり過ごす毎日。思い返してみるとこの子、小さい頃からあまり活発ではなく、おもちゃへの反応も少なかったような??
さて、今回は猫にとっての遊びとは何か、そして、シニア猫には遊びが必要なのかについてみていきたいと思います。
猫にとって遊びとはなにか
そもそも、猫たちにとって遊びとはなんなのでしょう。
まず挙げられるのは、「狩猟本能を満たす」ということでしょうか。
とくに、子猫はとんだり跳ねたりかじったり、たくさんの遊びを通じて、狩りの技術や猫として生きていくためのさまざまな能力を身につけていきます。
これは、狩りを必要としない飼い猫でもその本能がなくなることはありません。
動く物にじゃれたり、追いかけたり飛びかかったり、咬みついたり、そんな遊びを通じて、いろいろなことを学習していると考えられています。

では、遊びは子猫だけに必要なものなのかというと、そうではありません。
おとなになった猫たちには、運動不足の解消と刺激不足の解消としての遊びが必要となります。
確かに成猫には、子猫ほどおもちゃに興味を示すということがないかもしれません。
しかし、「遊びは楽しいこと」という感覚はずっと残っていると言われています。
子猫の頃に比べると一緒に遊んでいても手ごたえがないな、と感じることもあるとは思いますが、成猫にも一緒に遊ぶ時間や、遊んでもらうための工夫をしていってあげましょう。
ちなみに、メスに比べてオスの方がおとなになっても遊び好きの傾向がある、長毛種よりも短毛種の方が遊び好き、単色カラーの毛色の子より、しま模様の方が活発な傾向がある、なんてことも言われていますが、皆さんのご自宅の猫ちゃんたちはどうでしょうか?

我が家の場合、確かにどの子も短毛種ですので、“短毛種が遊び好き”には当てはまっています。
しかし、しま模様の子が一番のんびり(シニアだから、というわけではなく、昔からおもちゃに興味なし)で、白黒ちゃんが一番活発、オスメスの違いに関しては、メスしかいないので比較のしようがないのが残念です。
ただ、このような傾向を知っておくと、自分に合った猫を探しやすくなるかもしれませんね。
次回の後編では、シニア猫との遊び方を紹介いたします。
佐藤 麻衣氏プロフィール
一般社団法人 全日本動物専門教育協会
動物介在福祉士 教師
家庭犬訓練士 教師
SAE認定 猫のシニア生活健康アドバイザー 専任講師
SAE認定 猫疾病予防管理士 専任講師
長年動物の専門学校で教鞭をとり、犬のトレーニングや動物介在福祉活動などに従事。
現在は専門学校や大学、国内初の官民協働PFI刑務所の職業訓練プログラムに於いてトレーニング技術を教え、一般の飼い主に向けても資格取得に向けた講座やペット防災など様々なセミナーで活躍。
犬のみならず、長年猫と暮らしている経験、猫の生態・習性の知識も併せ持つ。