「4団地理事長」座談会
調布富士見町住宅建替えの場合
都市計画法上の一団地の解除と公道の付替えを行った調布富士見町住宅。
インタビューのポイント①
国領住宅の成功が建替えを後押し。
インタビューのポイント②
再検討開始から建替え決議まで4年とスムーズに進行。
インタビューのポイント③
コンサルタント業務も含めて事業協力者を選定。
建替えの概要
調布富士見町住宅は、京王線調布駅から徒歩14分ほどに立地した昭和46年竣工の5棟・176戸の団地でした。東京都住宅供給公社の分譲で、他の池尻団地と同じく割賦方式で販売されました。同じ調布市の国領住宅と同様に都市計画法上の一団地を解除しましたが、それとは別に、公道の付け替えも実施しています。マンション建替え時の公道の付替えは、全国初の事案であると思われます。(平成27年春に竣工)
建替え検討のきっかけ
本人居住は2/3
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まず、調布富士見町住宅では区分所有者ご本人がどのくらい住まわれていたのでしょうか?区分所有者
ご本人が住んでいた住戸が、およそ2/3。
あとは賃貸と空室になっていました。
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賃貸はそれなりの家賃で貸せていたのでしょうか?
全く手入れをしないで、すごく安く貸している方もいましたが、建物の老朽化が進んでいましたので、少し手を入れた場合でも、そう高い家賃ではなかったと思いますね。すぐ近くに大学があるので、学生の方がルームシェアして住んでいたりもしました。
再取得は6割程度
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調布富士見町の区分所有者の方の新しいマンションの再取得率はいかがでしたか?
176戸のうち、戻ってこられるのが104戸ですね。
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逆に言えば4割くらいの方は再取得されなかったわけですが、その理由は?
私たちのところは、団地の中を市道が通っていて、道路の位置の問題から、都市計画法11条の一団地の規制が解除されて、容積率が周辺同様の200%になっても、154%程度しか使えない状態でした。また、隣接している公園が公道から出入りできない等の問題も道路の移設によって解決することも踏まえて調布市と協議し、道路の移設は認められましたが、道路に埋設されているライフラインが使えなくなるため、移設工事前の退去が必要で、通常の建替えよりも仮住い期間が1年近く長くなってしまいました。居住者には高齢者が多く、それで、転出の方が多くなったと思います。
従前の道路
竣工予想模型
国領住宅の成功が、建替えを後押し
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富士見町はどのような理由で建替えを検討されたのでしょうか?
一番大きかったのは国領住宅が建替えられたということです。それまで、建替えの話しが出たことはあったのですが立消えていました。国領で、一団地の規制が解除されたということを聞き、私たちの団地でも出来るのではないかという気運が盛り上がってきました。そこで、管理組合で「住宅を考える会」を立ち上げ、皆さんが住まいにどういうことに不安や不満を感じているのか、アンケートをとりました。一番多く寄せられたのは、「若いときには平気だった階段が、歳をとって大変になってきた」というような、エレベーターがないことに関する意見でした。同時期に