建替えへの期待と不安

2015年5月アトラス調布に生まれ変わった調布富士見町住宅。
秋風がここちよい10月中旬。仮住いからアトラス調布の新居に戻られた区分所有者の方々にお集まりいただき、共に建替えを経験した気心の知れた住民同士のざっくばらんなご意見の交換をお願いしました。

  • 出席者:18名

老朽化が進んだ調布富士見町住宅を建替えたい

割賦期間*が終わって管理組合を設立して、建替えに進むことになった時、どんなお気持ちでしたか? G:建替え検討に進む方向が決まったのは、建替え推進委員会が立ち上がった時ですね。 T:建替え前の富士見町住宅も緑が多くてよかったが建物の老朽化が目に余る。うちの場合はトイレのコンクリートが崩れてきたので、建替えが決まった時は素直にうれしかった。こんなに早く進んでいくとは思いませんでした。 S:我が家は室内を少し変えて不自由なく生活していました。以前、建替えの話が持ち上がりましたが、挫折して、今回の建替えまでしばらく空白の時間があったんです。私は建替え前に修繕委員会の副委員長でした。そこでは、こんな古い建物に高いお金を出して直すのはもったいないという話も出ました。 O:私はその前後に理事会のお手伝いをしていまして、あちこちでお風呂が水漏れしたなど、いろいろな問題がありました。これはもうはやく建替えてもらうしかないと思いました。

そういった不具合は多かったんですか?

O:私が理事の時が一番多かったようで、ずーっと修繕していました。一か所やっているときに別の場所でも。水漏れだらけ。だから走り回っていました。

S:階段のコンクリートがヒビだらけだったり。4階で漏れた水が1階に伝わっていて。だから1階で漏れているといわれてもどこからの漏れなのかがわからなかった。老朽化がすごすぎました。

G:私は購入後に内装を全部とってリフォームしましたが、コンクリートがかなり朽ちている感じでした。排水管は下のお宅の天井裏にありましたから交換できませんでした。全部取って躯体を見たから、これはもうだめだと思いました。大規模修繕の検討では、外壁をきれいに塗ると言っていましたが、いくら外側を修繕してもダメだと思いました。たぶん水漏れも常時ある状態だったと思います。

C:大雨の時に東側の壁にしみができました。その修理工事のとき畳業者からすごいしっかりした建物だと言われました。だから号棟によって違うんだなと思いました。

いくつかあった部屋の不具合はその後どうなりました? S:台風のとき、東側の外壁からの水漏れが2回くらいあって、5号棟は排水管を修理しました。お風呂場の天井もモルタルがすこし下がってきていました。 N:1階でしたけど、ガス漏れしたことがありましたが、困ったことにお隣に入らないと修理できないので、お隣にお願いして、ガス屋さんに入ってもらいました。それと2階の方の熱帯魚の水槽が漏れちゃって、水が下のほうまできたこともあった。 最初に3号棟のほうから建替えの声がでたときに、はやくやって!と大賛成。つくりが古いということもあり、あちこちで問題が起きていたから、早く建替えないともう無理だと思っていました。 M:私は昭和50年半ばくらいに越してきたんですけど、そのころから建替えも頭にいれていました。みんなで芝生の草取りをしながら建替えたいねと話していた。前の団地も大好きでしたが、やはりエレベーターないというのが、だんだんつらくなってきました。高齢化も進んで自治会にしろ、委員会にしろ、役員を引き受けてくれる方がどんどん少なくなっていって、もう建替えしかなかったんです。 B:今回建替えできなければ私たちは2度と何もできないのではないかという思いがとてもあったので、みなさんが建替えに向いたとき、初めてみんなで同じ方向を向けるというのがとてもうれしかったです。今度こそ成功させたいという気持ちが賛成してくださった方の気持ちの中にあったと思います。一致団結できてよかったです。 L:私は最初から1階に住んでいたんですけど浴室に大きい窓があって、お風呂に入ると露天風呂のように風がスース―入ってくる。寒いからってテープを張ると家内に怒られるし、冬は寒くて。これで一生過ごすのかと思っていたんですが、皆さんのおかげで建替えに決まって本当に喜びました。他の集合住宅に住んでいる知人が、建替えは反対が多くてできないという話も聞くのに、富士見町では建替えができて良かったなと喜んでくれました。今は素晴らしいところで、この先どのくらい生きられるかわからないが、ここで過ごせるのを喜んでいます。 P:20年間住んでいましたが、床下の汚水管が破裂して、床下に入って応急処理をしました。成就するか心配もあったんですが、建替えが決まって良かったです。 K:以前実施した大規模修繕の時のアンケートでもぜひ建替えをしてほしいという回答が多くありました。しかし3年くらいでそれが立ち消えてしまった。そのあとで役員になって大規模修繕でいくのかなと諦めていたましたが、先に建替えを実現した国領住宅の例を見て、建替え以外にはないのではという気持ちはありました。近所の高齢者の話を聞くと、喜んで積極的に建替えには動けないという意見もあったのですが、実際にその方もこちらに戻ってこられました。結果としては満足しています。建替えを進めるみなさんが細やかに支援し解決してくれて感謝しています。 V:役員の方が協議を重ねてくれてありがたかったです。説明会では反対の方もいてどうまとまるのか、と傍観者的な立場でいて申し訳なかったが、建替えが決まってほっとしました。 W:団地は母の所有なので私はまだ10年ほどしか住んでいないんです。建替えの前にいろいろあったことを初めて知りました。主人の介護や私の仕事のこともあって傍観者的な立場でしたが、主人のためにもエレベーターが必要ということもありここに住むことができてよかったです。役員の方にも頭の下がる想いで、本当に感謝しています。 J:何年か前にも建替えの話はあって、その時はうれしくて、話し合いも積極的に出席して話を聞いていましたが、いつのまにかなくなりました。主人とこれでもう望みはないのでは、という話をしていて、しかたないとあきらめていたんです。以前の団地は環境はよかったけれど地震に耐えられないし、隙間風がひどかったので建替えがきまったときはうれしかった。 B:私が住んでいた部屋の前は芝生で木も見えて、良いところだったので、あまり引っ越したくなかったんです。5棟もあるし建替えに全員賛成はしないだろうと思っていました。建替え決まってから、仮住いの3年弱があっという間にすぎて。新しい住戸にも満足しています。

面談でも、以前の建物の芝生や風通しの良さなどは、ほとんどの方が評価されていました。そういった意味でこの環境を変えないで建替えるのであればよいという声もありましたね。 G:私の立場としてはみなさんが賛成してくださって建替わってよかったと思うし、建替えの推進中、一度も建替えできないと思ったことはありませんし必ず建替えを実現するつもりでした。建物が完成して個人的にも、もちろん嬉しいですが、外部から見学に来た方もみんな素晴らしいと言ってくださって、事業協力者や関係者に感謝しています。その時の経済情勢によって建物の仕様が変ることもあるらしいのですが、最初の約束を最後まで守ってくれたことがうれしかったです。

【注記】
* 割賦期間:調布富士見町住宅は、東京都住宅供給公社により35年の割賦方式で分譲されました。割賦支払が終了した、平成18年3月に正式に区分所有建物となり、管理組合が発足しました。
** 国領:旭化成が参画した144戸の団地。富士見町住宅と同様に都市計画法11条の一団地の住宅施設でした。