ペットロスセミナーレポート
2025.7.5&7.6
最近では「ペットロス」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。ペットを飼っている方にとってペットとの別れは避けられないことであり、家族同様のペットとの別れは「ペットロス」に直結しています。今回、初めてこのテーマを扱ったオンラインセミナーを開催しました。ここではセミナーの様子を参加者の声を交えながらレポートします。
オンライン「ペットロスセミナー」は2日にわたって3回行いました。合計で50組近い方々にご参加いただき、多くの方がこのテーマについて高い関心を寄せていることが伺えました。実際にペットを亡くされた経験をお持ちの方だけでなく、いずれやってくるお別れに向けて備えをしたい方などそれぞれに様々な理由で参加されていました。
参加者の声
- ペットロスがどういうものなのか全く想像がつかなかったので参加した。
- 高齢の犬がいるので今後の参考にしようと思って参加した。
- 愛犬を亡くした際にペットロスになる可能性が高いと思い参加した。
- 自宅の猫がやや高齢になってきて、ペットロスについて意識し始めていたので。
司会進行は旭化成不動産レジデンススタッフが担当しました。約2年前に愛犬を見送った経験を持っていることから「私も愛犬を亡くした時に悲しい思いをしたので、今日は皆さんと同じ立場で話を聞きたい」と挨拶を行いました。
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講師は、獣医師でありペットロスケアマネージャー通信講座の監修などペットロスケアの専門家として活躍されている先崎仁思先生です。
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先崎先生は自己紹介の前に「私の先生です」と、かつて飼っていた愛犬のシェットランドシープドッグの唯於(いお)ちゃんを紹介。「今でも毎日大切なことを教えてくれています。今日は唯於先生に見守ってもらいながら進めていきたいと思います」と話してからセミナーをスタートしました。
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今回の学びの大きなポイントは、ペットロスには12段階のプロセスがあるということでした。第1段階から第12段階まで、行ったり戻ったりしながら立ち直りに向かって進んでいきます。先生はそれぞれの段階においてどのような現象が現れるのか、どうしてその現象が起こるのか、そして具体的に飼い主がどのような反応をするのかということを丁寧に説明していきました。
参加者の声
- これまで漠然とした不安だったが、ペットロスの12段階を丁寧に説明いただき、ペットロスの後の具体的な心理的な状態と回復の流れを知れてよかった。
- ペットロスの段階が様々であり、自分がペットロスになった際に客観的に判断する良い指標を得た。
- ペットロスの人間心理について段階があることを知ることができ、勉強になった。
- 過去の愛猫の死のペットロスにあてはまることがあった。
参加者の中には熱心にメモを取られている方もいました。また、お子さんやご家族と一緒に学ぶ姿、愛するペットと共に学ばれている方も見ることができました。ご自身の経験に重ねられてか、先生のお話を聞きながら涙を流されている方もいらっしゃいました。
参加者の声
- ペットを亡くしたときの振り返り、確認をさせていただいたように感じた。事前に知っておけたらと良かったと思うし、多くの方に知っていただきたい内容だった。
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先生がかつて学会のために行った調査では100%の方が「ペットロスを経て何らかの成長を遂げた」と回答があったといいます。ペットロスの12段階の過程を経て人はどのように成長していくのかを学ぶと同時に、ペットの3つの価値「可愛いところ」「手がかかるところ」「学べるところ」の再認識もできました。さらにまとめとして、今から私たちはペットロスに対してどのようなことを心掛けながら暮らしていけばよいのかのアドバイスがなされました。
参加者の声
- あの時こうしておけばという後悔のないように手間がかかることを惜しまずに世話をしていこうと思った。
- ペットとの当たり前の毎日を大切に生きていこうという気持ちになった。
- いつも一緒にいる愛犬がいなくなっても思い出を大切にしようと思った。
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質問タイムでは、事前に参加者から寄せられた質問に先崎先生にお答えいただきました。「ペットが亡くなることに対する不安をどう解消すればよいのか」「家族がペットロスになりそうだがケア方法を教えてほしい」「同居している犬や猫などもペットロスになるのか」など多岐にわたる質問内容でした。
加えて、直接質問にも時間の許す限りお答えしました。動物病院に勤めている参加者様から「獣医師や看護師に怒りを持たれている方にどういう言葉をかけてあげればペットロスの解消につながるか」という質問や、「多頭飼いをしているが、ペットを見送るたびに同じような悲しみを経験するのか」などの質問があり、先生がアドバイスをしました。
参加者の声
- 最後の質問コーナーも、ちょうど聞きたかった内容を知ることができた。
- 先生の補足のコメント部分が特に心に響いた。
「ペットロス」について学ぶことは、愛するペットとの別れを想像することでもあり、辛く悲しい側面をもっているかもしれません。先崎先生は「このセミナーを通じてペットロスに陥った時に、今自分がどの段階にいてこれからどうなりそうかという予測がある程度つけられるようになってほしいですね。あらかじめペットロスについて知っておくことで、現在ペットと暮らせる喜びをより一層感じられて、意識的に可愛がり思い出を作っていくことにつながります。そしてそのような意識的な暮らしの積み重ねが、ペットを見送った後の絆の結びなおしにも役立ちます」と話されていました。
今回得た学びは周りの家族や友人と共有していただくことがとても大切です。一日一日のペットとの時間を大切に過ごし、ますます充実したペットライフにつなげてくださいね。
参加者の声
- ペットとの別れへの向き合い方のヒントが得られた。
- 初めてペットを飼っているため、ペットロスによって自身がどうなるのかを想像できていなかったが、セミナーを通して理解できた。
- 漠然とした不安に対して対策を知れたことが良かった。
- ペットとの別れについてあまり真剣に考えたことがなかったので、心の準備として良い機会になった。
- 訪問トリマーをしており、ペットロスの犬の飼い主やペットロスの飼い主と触れる機会が多い。飼い主さんへかける言葉をいつも悩んでいたので、今後は今日のお話の一部を思い出してかける言葉を選んでみようと思う。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。セミナーが非常にためになったと、アンケートでも高い評価をいただくことができました。
+わん+にゃん倶楽部では、今後もペットとの暮らしを豊かにする学びの機会を設けていく予定です。皆さまとまたお会いできることを楽しみにしております!


