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防災セミナーイベントレポート

2020 人とペットの体験型防災セミナー

2020.2.16 中央動物専門学校(東京都北区)

昨年7月に初めて開催されたイベント「人とペットの体験型防災セミナー」。近年は防災意識が高まっているものの、ペットに焦点を当てた防災対策についてはなかなか情報が得にくいのも事実です。
2回目の開催となる今回も多くのお申し込みをいただき、ペットの防災に対する関心の高さが感じられました。2019年は台風や大雨などによる被害も多かったので、今回は水害に対する防災行動も盛り込まれたセミナーとなりました。

「わんちゃん向け」

  • セミナーを担当していただいたのは、SAEペット災害危機管理士®講師の鈴木清隆先生です。

まず災害時の行政の動きの説明から始まり、飼い主様自身が取るべき行動についてのお話がありました。
今回は災害時の行動を考える例として「大型で強い台風」を想定し、風水害とは何か、時系列の防災行動計画(タイムライン)にどう沿っていけばいいか、さらに洪水ハサードマップについての説明もありました。
2019年の岡山県での水害後に先生が視察された避難所の写真なども示され、皆さん実際のペットの受入れ状況をイメージできたようです。

  • 愛犬と一緒に参加された方も多く見受けられました。
    先生が驚かれるほど、どのわんちゃんもおとなしく飼い主様と一緒に過ごしていました。

グループワークでは提示された条件の中での避難経路や持ち物を話し合いました。自分たちだったらどう行動するか、地図に帰宅ルートを書き込んでいきました。

  • 先生によるグループごとの回答の発表の後に、危険を避けたルートのポイントや持ち物についての解説が行われました。
    皆さんもぜひご自身の住む地域のハザードマップや避難所について一度確認してみてくださいね。

セミナーの後半では防災グッズ体験の時間を設け、犬用防災グッズを手に取ったり、実際に愛犬にグッズを試着させたりしました。

飼い主様も避難時を想定したリュックを実際に背負って感覚を確かめていましたが、想像以上の重みに驚いていました。

  • 避難時や避難生活に向けたトレーニングについてのレクチャーも行われました。
    今回は参加者様から吠えの問題について質問があり、家族以外の人が苦手な原因から慣らすための具体的なトレーニング法、さらに家族と一緒の空間にいられない場合の対処法まで、充実した内容になりました。

<参加者様の感想>

  • 非常時は冷静に行動することが大切だと改めて感じた。
  • 防災グッズを見られたのがとても参考になった。非常時に何を持っていけばいいか、具体的にイメージすることができた。
  • 災害時の具体例がとてもわかりやすく勉強になった。
  • 犬用避難用袋も用意しているが、重さまでは気にしていなかったので帰宅したら早速チェックをしたい。
  • 地域のハザードマップを見るべきだと改めて思った。
  • 日頃なかなか犬に対しての防災意識がないので、いい機会になった。

「ねこちゃん向け」

  • セミナーを担当していただいたのは、SAEペット災害危機管理士®講師の佐藤麻衣先生です。

  • まず、災害そのものについて改めて考えることからセミナーが始まりました。今回は水害についてもフォーカスされ、水害のメカニズムと家屋被害の例、都市部のブラックアウトについてのお話もありました。
    避難開始のタイミングが遅れる要因のひとつである『心理的要因』についての解説の際、先生からは「避難時の心理としてどうしても周りに合わせて行動する傾向がありますが、皆さんは率先して避難するようにしてください」というメッセージがありました。

猫との避難活動や避難生活に備えるということでは、災害時に活用できる猫の習性とその理由、活用できる場面の説明がありました。メモを熱心にとられる方も多く、皆さん真剣な表情で耳を傾けていました。

また、猫は避難生活のストレスで病気を起こしやすいことから、ワクチン接種やフィラリア予防をはじめとした日常での対策についてお話がありました。食事の重要性についての話では先生自身がどう猫の避難用食事を準備しているかの具体例も挙げられました。

  • 非常時に活かせる猫のトレーニングについてはクレートの慣らし方、「おいで」の合図の教え方、コミュニケーションの取り方などのレクチャーがありました。普段の猫との生活の中でできることも多く、参考になったのではないでしょうか。

  • 休憩時間中には、展示されたペット防災グッズを熱心にご覧になっている飼い主様が多く見られました。

最後には、グループワークとして“今、ここで地震が発生したらどのように自分たちが行動できるのか”を考えました。
飼っている猫の紹介なども行われ、それまでの真剣な講義ムードから一転、和やかかつ活発に意見が交わされていました。「他の飼い主さんと交流することで、地域特性など多くの気付きがあった」という声もありました。

災害時に何が猫に起こりうるのか、何が問題かを話し合いながら紙に落とし込んでいき、考えをまとめ、セミナーは終了となりました。

<参加者様の感想>

  • 避難生活のストレスでの猫の感染病についての話がためになった。
  • 改めて災害に対する備えの大切さを感じた。
  • 日頃からの病気予防やしつけが防災時に役立つことがわかり、勉強になった。
  • 猫の防災について深く考える機会になってよかった。
  • 帰ったら猫の避難場所の設置などを考えようと思った。
  • 講義にあったトレーニングを参考にして今後に活かしたい。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!セミナーで学んだ内容をぜひ今後のペットライフに活かしてくださいね。
防災は日頃からの心構えや情報収集がとても大切です。今後もペットの防災について学ぶ機会を設けていきたいと思いますので、皆さまのふるってのご参加をお待ちしています。