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【遊】ペットも人もしつけは遊び!|第12回

賢く選ぼう、楽しく遊ぼう!~愛犬用おもちゃの選び方&活用法~

暑くなるこれからの季節、熱中症予防のためにも日中は屋外での遊びやお散歩は避けたいもの。でも家の中ばかりにいると、愛犬もストレスが溜ってしまいがちですよね。
そこで今回はおうちの中での遊びに欠かせない愛犬用おもちゃの選び方&活用法をご紹介します。

Q. 種類がたくさん!どのおもちゃを選べばいいの?

A. お試し品を作って与えてみましょう!

お店に行くと、本当にいろいろなタイプのおもちゃが並んでいて、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。せっかく買ったのに、いざ愛犬に与えてみたら全く気に入ってくれず見向きもされなかった…という飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

決して安価ではないので、愛犬がしっかり遊んでくれるタイプのおもちゃを選びたいものです。では、どうやって愛犬の好みを見極めればよいのでしょうか?

おすすめは、購入を検討しているおもちゃと似た素材で「お試し品」を作って、実際に愛犬に与えてみること。たとえば、最近よくみかけるフリース素材の玩具なら、自宅にある着古したフリースを細長く切って三つ編みにすれば、簡単にお試し品ができあがります。

お試し品を犬に与えてみて、喜んで遊ぶようなら、そのおもちゃを購入してもよいでしょう。
このとき、「お試し品でもよく遊ぶから、本物は買わなくていいや」と思ってしまいがちですが、それはNG。愛犬の誤飲のリスク等を考えると、安全性を配慮して商品としてしっかり作られているもののほうが、安心です。

また、愛犬のお気に入りがみつかったら、できれば同じものを2つ購入しておきましょう。
愛犬がお気に入りのおもちゃをくわえて放さないときなどに、もう一方をみせればあっさり放してくれますし、万が一壊してしまったときの代用品として活用できます。

Q. おもちゃを与えても、すぐに飽きてしまいます。どうすれば長く遊んでくれる?

A. おもちゃを出しっぱなしにするのをやめましょう。

次々におもちゃを買い与えても、「遊ぶのは最初のうちだけ。すぐに飽きてしまって見向きもしません」という飼い主さんの声もよく耳にします。
でも、実はその原因、おもちゃや愛犬ではなく、飼い主さん本人にあることが多いのです。

犬がおもちゃにすぐ飽きてしまう原因の大部分は、おもちゃの管理の仕方にあるからです。もしかしたら、愛犬におもちゃを与えっぱなしにしていませんか?
いつでもおもちゃで遊べる環境にしてしまうと、おもちゃは愛犬にとって「わくわくする、特別なもの」ではなくなってしまいます。

愛犬には一人あそびをさせないのが、大原則。おもちゃは、飼い主さんがしっかり管理して普段はしまっておき、遊びの時間だけに取り出して一緒に遊ぶようにするのがベストです。
この習慣をつければ、愛犬は、おもちゃが出てくると、「遊びの時間だ!」と嬉しくてワクワクするようになり、すぐにおもちゃに飽きてしまう可能性は低くなるはずです。

なお、飼い主と一緒のときにおもちゃを与えるのが原則ですが、例外としてお留守番のときには一人で集中して遊べるタイプのおもちゃ(例:中に入れたおやつやフードを取り出して遊べる「コング」など)を活用してもよいでしょう。
このときのおもちゃも普段は必ず隠しておき、お留守番のときにだけ、取り出して与えます。そうすれば、そのおもちゃがサインとなって「あ、今からお留守番だな」と理解するようになります。

Q. それでも飽きてしまったら、新しいおもちゃを買うしかないの?

A. おもちゃの種類を変える前に、遊び方を変えてみましょう。

きちんと管理をして遊んでいるのに、おもちゃに反応しなくなったら、おもちゃにではなく、そのおもちゃを使った遊びに飽きているのかもしれません。遊び方に工夫をしてみましょう。

たとえば、ボールタイプのおもちゃの場合、最初は喜んで走ってとってきていたのに、次第にとってこなくなるケースがあります。そんなときは、ボールに紐をつけて、愛犬の前で床に這わせ、動かしてみるなどの工夫を。「ん?これは、なんだ?」と興味をもつかもしれません。

おもちゃは単なる道具でしかありません。その道具を使って、飼い主さんと愛犬がコミュニケーションをとることが目的であって、おもちゃで愛犬を喜ばせることが目的ではないのです。
「どうやったら愛犬が喜んでくれるかな」よりも前に「どうすれば、一緒に愛犬と楽しい時間をすごせるかな?」という発想でおもちゃを活用するようにしましょう!

まとめ

以下に今回のポイントをまとめました。おもちゃの選び方・使い方を見直して、賢くおもちゃを選び、愛犬と楽しい時間をすごしてくださいね!

  • 新しいおもちゃは、似た素材でお試し品を作って愛犬の反応を見てから、購入するようにする
  • お気に入りのおもちゃがみつかったら、同じものを2つ購入しておく
  • 愛犬におもちゃを与えっぱなしにしないこと。普段はしまっておき、遊びの時間にだけ与えるようにする
  • 愛犬がおもちゃに飽きたら、新しい遊び方を工夫してみる

監修者プロフィール - 倉岡 麻子(ドッグトレーナー、INUDOG代表)

ペットシッターを経て、アメリカ・サンディエゴのトレーニングセンターでドッグトレーニングを学ぶ。帰国後、埼玉県所沢市にINUDOGを設立、一般の飼い主向けレッスンのほかに、ドッグトレーナーを目指す人を対象とした育成プログラムも実施、犬やドッグトレーニングに関する知識やノウハウを広める活動を展開中。専門学校講師。一児の母。