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【遊】ペットも人もしつけは遊び!|第4回

“遊び”は犬と人のコミュニケーション

“犬の<狩猟本能>を呼び覚ます遊び

群れで暮らし、狩猟本能を持つ犬。愛犬たちにとっての「遊び」は飼い主さんが考える以上に深い意味を持つことを知っていますか?
今回は愛犬の心と本能を満たすような遊びを日常に取り入れる工夫をご提案します。

犬には「動くものを追いかけて捕まえる」「鼻を使って何かを探し出す」という狩猟本能があります。それら狩猟本能を満たす遊びをするためのグッズもいろいろと販売されていますからそれらを利用するのも良いでしょう。
例えば

  • ロープ状のおもちゃを床に這わせながら追いかけさせる
  • ボールなどを投げて持って来させる
  • フードを入れたおもちゃで食事をさせる
  • 隠したオヤツを探させる

これらの遊びで精神的な充実感を得られストレス解消にもなりますし、体を動かすことで運動にもなります。
これらの遊びは室内でもできますから、雨の日などのストレス解消にも最適です。

遊びは犬にとって“楽しいもの”にする

狩猟本能を満たす楽しい遊びを犬だけで遊ばせるのではなくて、飼い主さんとのコミュニケーションの一つとして使うのが大切です。犬は猫と違い、群れで生活し最低でも自分以外にもう一頭、又は一人いれば群れとみなします。そして群れの仲間とのコミュニケーションを必要とします。

人と犬は共通言語を持っていませんから、まずは犬が楽しいと思う事で犬とのコミュニケーションをとっていきましょう。言葉の代わりに「遊ぶ」というツールを使うわけですが、狩猟本能を満たす事だけをすればよいワケではありません。この「遊ぶ」という言葉の意味には、実は深い意味が込められています。「遊ぶ」は犬にとって100 パーセント楽しいものでなければならないのです。少しでもイヤだなぁと思わせてしまったら、それは遊びではなくなるということです。100 パーセント楽しいものだからこそ「遊び」がご褒美になり、そんな遊びをしてくれる飼い主さんを好きになり、飼い主さんとのコミュニケーションが楽しいものとなります。

犬のトレーニングでは、犬に指示(コマンド)を出して、指示通りに反応したらご褒美(報酬)がもらえるという陽性強化方法を用いますので、飼い主さんとのコミュニケーション自体が楽しいという犬にするためにも、「遊び」を100 パーセント楽しいものにしてください。「遊び」を100 パーセント楽しいものにする秘訣は、「おもちゃを奪い合わないこと」。引っ張りっこ遊びで引っぱりすぎて犬をあきらめさせたりさせず、時々渡してあげる事。また遊び中に叱らないことも大切です。放さないからと言って叱らず、「放せ」の練習をしてから遊ぶなど、遊び中に犬に嫌な思いをさせないようにしていきましょう。犬とコミュニケーションが取れるようになることは、しつけだけでなく犬との暮らしの上でとても大切なことですから。

著者プロフィール - 真壁 律江

資格:CPDT-KA(国際資格)ドッグトレーナー/ 日本ペットドッグトレーナーズ協会理事長。ドッグトレーニングには「犬にきちんと順番通り教える事」「犬のやる気を育てる事」「犬の興奮度をコントロールする事」が重要と考え「パピーからの教育」を指導すると共に、犬とのコミュニケーションアップにドッグダンスを推奨し普及も行っている。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす” をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)