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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第26回

犬が吠えているときはストレスを感じているかも?!③

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。

今回のテーマは「恐れからくる吠え」についてお話いたします。

皆さんは、散歩中に他の犬に向かって吠えている犬を見たことはございますか?
一見して攻撃的な印象を受けるかもしれませんが、だいたいの場合が「恐れ」からくる吠えなのです。
このようなことが原因で吠えている犬は、本来必要のないストレスを感じています。

皆さんも、普段街中や公園を歩いているだけで、周りの人に恐れを感じたくはないですよね?それは犬も同じなのです。

では、どのようにすれば必要のないストレスを軽減させることが出来るのでしょうか?
原因や対処法について、お話ししましょう。

③ 恐れからくる吠え

散歩中に見知らぬ犬に吠えかかっている犬は、私の経験上ほとんどの場合「恐れ」が原因と言えます。
見知らぬ犬を恐れてしまうのは、上手に社会性が学べていないことが原因の一つとして考えられます。

本来、相手の犬が友好的な態度や、落ち着いて近づいてきた場合お互いのニオイを嗅ぎあう「挨拶」が始まります。

今までに犬同士でのコミュニケーション方法を学べてこなかった犬の場合、相手の犬に何をされるか分からない為、近づかれることに対して恐れを感じてしまいます。
そういった犬の場合、自分の弱さを見せると相手に優位に立たれてしまうと感じ、一生懸命吠えることで自分を強く見せているわけです。相手の犬は、ただ挨拶をしたくて近づいてきているだけなのに、です。

しかし、飼い主の多くはこのような行動を「攻撃的な行動」と勘違いしていることが多く、徐々に見知らぬ犬を避けて散歩するようになってきます。
すると、犬は「見知らぬ犬=飼い主が避ける=危険な存在」と認識していき、やがて犬を見つけるだけで危険を感じて、吠えるようになってしまいます。

吠えれば吠える程他の犬を避けるようになっていき、犬はより危険を感じて吠えて…という悪循環の出来上がりです。

虚勢を張って吠える犬の場合、このように群れに囲まれると大人しくなる事がほとんどです。

では、どのように対処をすれば良いのでしょう?

◎ 対処方法

恐れが原因で吠えている場合、自分のニオイを嗅がれることに慣れていない犬がほとんどです。
まずは、自分のお尻を相手の方に向けさせて、相手にニオイを嗅いでもらうところから始めましょう。

怖がって逃げ回らないように、飼い主がなだめながらその間にお尻のニオイを嗅いでもらうようにします。

ニオイを嗅いでもらったら、次は相手のニオイを嗅がせてもらいましょう。
ただし、この時に興奮した状態だと相手の犬に嫌がられてしまうため、必ず落ち着いた状態でニオイを嗅がせるようにしましょう。

どうしても落ち着けない場合は、まずは自分のニオイを嗅いでもらう事を繰り返し、徐々に落ち着けるように練習しましょう。

ここで大切なのは、飼い主が不安や恐れを抱かずにリラックスして対処することなのですが、どうしても難しい場合は専門家に直接見てもらうようにしましょう。

犬や人だけではなく、他にも散歩中に警戒して吠えるようなものがある場合はニオイを嗅がせて確認をさせてあげるようにしましょう。

いかがでしたか?
もちろん、犬に対して吠える原因が全て「恐れ」からくるものではなく、中には本当に攻撃性を出して吠えている場合もございます。
特に一度ケンカをした相手とは相性が悪くなり、見かけるだけで攻撃性が出る場合があるので、注意が必要です。
相性が悪くなってしまった場合には、無理をせずお互いに近づかないように気を付けましょう。

また、今回までに紹介した例は、あくまでも一例です。
他にも吠える原因はありますが、どんな理由で吠えているのか分からない場合は、専門家に直接みてもらうようにしましょう!

それでは、また次回をお楽しみに!

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。