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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第24回

犬が吠えているときはストレスを感じているかも?!①

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。

皆さんもご存じの通り、犬は吠える動物です。

当然、犬種や年齢、性格によって吠えやすさは異なりますが、吠えやすい犬をしつけによって全く吠えないようにすることは、ほぼ不可能です。

しかしだからと言って何も対処をせずに、気が済むまで吠えさせておけば良いというわけではありません。

吠えやすいかどうかは、先天的な部分もありますが吠えにくい犬種でも、育ってきた環境によって吠えやすくなってしまう可能性があります。

よく「無駄吠え」という言葉を聞きますが、犬が無駄に吠えることなど一切無く、吠えるには何かしらの理由があり、その理由によっては、吠えれば吠える程ストレスを感じている場合もあります。

飼い主ならば、少しでもそのストレスを軽減させてあげたいですよね!

そこで今回からは何回かに分けて「犬がストレスを感じて吠えるとき」についてお話していきます。

最初にお話をするのは、家の中で吠える理由として考えられる理由のひとつ、『縄張り意識』についてです。

① 縄張り意識からくる吠え

犬は自分が縄張りとみなしている場所に、よその人間や動物が近づいてきた時、縄張りの境界線付近で激しく吠えたてる事があります。
これは「ここから先は自分たちの縄張りだから、これ以上近づくな!」という意味合いで吠えています。

玄関先や家の塀越しなどで吠えている場合、原因の多くは縄張り意識からくる吠えです。

この時に、犬は近づいてくる存在を「外敵」とみなしており、とても気が立っている状態ですので、その分ストレスも感じてしまっているため、いち早く吠え止めさせたいところです。

こういった場合の対処方法は、大きく分けて二つあります。

◎ 対処方法

A) 吠えている対象のニオイを嗅がせてあげる。

犬はニオイを嗅ぐことで、相手の情報を得ることが出来ます。
逆を言うと、ニオイの確認ができない場合は、相手が何者か解らずにとても不安な状態という事なのです。

相手のニオイを嗅がせてあげることで「敵意は無い」という事が確認できれば、吠えることも治まるでしょう。

犬がニオイを嗅いで確認が終わるまでは、相手に「犬を見つめたり、触ったり、声をかけたりしない」ようにしてもらいましょう。

犬同士の場合も同じ行動が見て取れます。
真ん中の新しく来た犬は、他の犬達がニオイを嗅ぎ終わるまでじっとしています。

B) 対象が見えない場所へ移動する

吠えている犬の中には、パニックを起こしてニオイを嗅ぐ余裕が無い場合もございます。

このような犬の場合は、対象が見えない場所へ移動してあげるのが良いでしょう。

犬は本来、嗅覚を頼りにして生きている動物ですが、小さい頃から家の中にいることが多く、外に出して外のニオイを嗅ぐことや、よその人や犬との交流が乏しい場合、嗅覚を使う習慣がついていない場合があります。

まずはお散歩に連れ出して、色々なニオイを嗅がせてあげることから始めましょう。

◎ おまけ

☆ インターホンに吠える犬

インターホンに反応して吠えてしまうは「インターホンが鳴る→誰か(外敵)が来る」又は、「インターホン→飼い主の様子が変わる→異常事態だ」という関連付けによって吠えている可能性が高いです。

インターホンに対して吠えそうな、又は吠えてしまう犬は、日ごろからインターホンの音を聞かせて慣れさせてあげるようにしましょう。

吠え止んだ時のご褒美は、おやつなどを使用しても構いませんが、何よりも褒めた上げることを忘れないでくださいね。

ひとりで練習する際は、インターホンの音を録音したものを鳴らしてみても良いでしょう。

☆ 窓の外の対象に吠える犬

これは、原因の一つとしてなわばり意識による吠えが関係している場合があります。

窓の外の対象に向かって吠えてしまう時は、窓の外が見えないように遮ってしまうのが、最も即効性がある対処方法でしょう。

いかがでしたか?
紹介している対処方法は一例に過ぎませんので、もし効果が感じられない場合は、直接専門家に見てもらうようにしましょう。

ゆっくりと休める環境づくりも、飼い主の大事な仕事のひとつですよ!

それでは次回をお楽しみに♪

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。