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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第21回

犬と猫の飼育方法の違いについて【後編】

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。
前回に引き続き、今回も「犬の猫の飼育方法の違い」についてお話致します。
それでは早速、後編行ってみましょう!

4. 手入れの違い

① 被毛のお手入れ

犬の場合は、散歩での汚れや分泌物による体臭などが出てくるため、定期的にシャンプーをしてあげる必要があります。
犬種によっては毛が伸び続ける種類もいる為、トリミングも必要になるでしょう。

犬の場合は定期的なシャンプーは必須と言えるでしょう。

猫の場合は、室内で飼育する事が基本で、身体が汚れる機会が少なく、自分で毛づくろいをするので、基本的にシャンプーをする必要はありません。
また、犬のように被毛が伸び続ける種類もいない為、トリミングが必要になる種類もいません。

しかし、猫は自分で毛づくろいをする際に、抜けた毛を飲み込んでしまいます。そして、飲み込んだ毛は消化できない為、ある程度すると溜まった毛を吐き出すことがあります。

この行動自体は、猫にとっては自然な行動なのですが、胃液と一緒に吐き出すため、カーペットやフローリングが汚れてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
その為、猫を飼育する場合は、こまめにブラッシングをしてあげて、飲み込んでしまう毛を、なるべく少なくしてあげるようにしましょう。

長毛種の場合は、よりこまめな手入れが必要になるでしょう。

② 爪のお手入れ

爪の手入れに関しては、犬も猫も必要になります。

犬の場合、爪切りを怠っていると歩行困難になってしまいますし、爪と一緒に神経も伸びてしまうので、爪を短く切ることすら出来なくなってしまう可能性があります。

「狼爪」は、地面で削られない分他の爪よりも伸びやすいので、気を付けましょう。

猫の場合、自分で爪とぎが出来ている限り、伸びすぎてしまうという事はありませんが、爪切りをしていない場合、前足の爪はかなり鋭くなり、万が一壁紙などに爪とぎをされてしまった場合、あっという間に傷がついてしまうでしょうし、じゃれて遊ぶだけでも人間の手が血だらけになってしまう事もありますので、こまめに切ってあげるようにしましょう。

猫を飼育する場合は、専用の爪とぎを用意してあげましょう。

また、高齢になって自分で爪研ぎが出来なくなってしまった場合は、そのままにしておくと爪が巻いて自分の肉球等に突き刺さってしまうため、必ず爪切りが必要になりますので、小さい頃から爪切りに慣れさせてあげるようにしましょう。

③ 肛門腺のお手入れ

犬にも猫にも、肛門の近くに「肛門腺(嚢)」という「肛門腺(嚢)液」を蓄える場所があります。
犬の場合は猫よりも、この肛門腺に分泌液が溜まりやすいため、定期的に肛門腺を絞ってあげる必要があります。

お尻を気にするしぐさや、地面にこすり付けるような行動が出てきたら、絞ってあげるようにしましょう。(肛門腺絞りは、ちょっとしたコツが必要なので、慣れないうちは、動物病院やペットサロンでやってもらいましょう)

肛門腺は勢いよく噴き出してくるので、絞る時は覗き込まないようにしましょう。

猫の場合、基本的に肛門腺絞りは必要ないですが、肛門腺が溜まってしまう場合もあります。
犬と同様にお尻を気にしているようなしぐさなどが見られたら、もしかしたら肛門腺が溜まっているかもしれませんので、動物病院などで見てもらうようにしましょう。

5. 去勢・避妊手術の効果の違い

※去勢・避妊手術の効果は様々あると思いますが、ここでは「ニオイ付け」に関して述べさせていただきます

犬にも猫にも性別関係なく、尿による「ニオイ付け」というものがあります。
このニオイ付けの行為は一般的に、犬の場合は「マーキング」、猫の場合は「スプレー」と呼ばれています。

この「ニオイ付け」という行為を防ぐ方法のひとつとして「去勢・避妊手術」がありますが、私の経験上では犬と猫に効果の違いが感じられます。

犬の場合、一度マーキングを覚えてしまうと、マーキング癖がついてしまい、その後に去勢・避妊手術を行なってもマーキングが続いてしまう場合があります。

犬の場合、排尿とマーキングは同じ態勢ですることがほとんどです。

猫の場合は去勢・避妊手術をすることで、スプレーだけではなく、発情期のメス猫が大きな鳴き声を上げる事も、ほとんど無くなります。

猫のスプレーの特徴は、尻尾を立ててお尻を高く上げて、高いところに向かっておしっこを飛ばします。

6. 法律の違い

犬を飼育する場合は、市区町村への登録と、毎年必ず狂犬病予防注射の接種が必要になります。
そして登録・申請することでもらえる「鑑札」と「狂犬病予防注射済票」を首輪や胴輪などに着けておかなくてはなりません。
これは「狂犬病予防法」という法律で定められています。

しかし猫の場合、市区町村への登録や狂犬病予防注射の接種は、義務付けられておりません。

え?『狂 病』なんだから当たり前じゃないかって?

実は、狂犬病という病気は、別名「恐水症(病)」とも言って、全ての哺乳類に感染する可能性のある病気で、発症した場合の致死率は99.99%という、とんでもない病気なのです。

じゃあ、なんで犬だけ?という疑問も上がりますが、厚生労働省の回答では「蔓延する主な原因が犬であり、人への狂犬病感染経路も9割以上が犬だから」との事ですが・・・ホントのところはどうなんでしょうかね?

いかがでしたか?
それでは次回をお楽しみに♪

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。