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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第17回

お留守番について

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。

私が子供の頃、日本では外で犬を飼育している家庭がほとんどで、いわゆる「番犬」という意味合いで犬を飼育している家庭が多かった気がします。

しかし、ここ2~30年で環境は大きく変わり、犬は室内で飼う事が主流になり、今や「家族」の一員として犬を飼育されている方が、ほとんどだと思います。

室内で飼うことが主流になったことで、広い庭やベランダが無いマンションなどでも、犬を飼う家庭が増えています。

そして、一人暮らしや夫婦共働きの家庭で犬を飼育する事が増えた事により、犬を長時間お留守番させる家庭も増えてきました。

そこで今回は、犬だけでお留守番をさせる際に注意しておきたい点をいくつかお話致します。

1. ゲージやサークルについて

冒頭でもお話した通り、いまは「家族」として犬と暮らす家庭が増えてきたため、普段はゲージやサークルなどに入れずに、お部屋で自由にさせているご家庭が増えています。

もちろん、お留守番をさせる際も、ゲージなどを使わずにお留守番できるのであれば、それに越したことは無いのですが、やはり気になるのが「イタズラ」ですよね。

ゴミ箱をあさる、ティッシュを散らかす、エサの袋を食い破る、等々・・・

このようなイタズラは、異物誤飲などの重大な事故に繋がる可能性もあるため、できる限り、イタズラしそうなものは手の届かない場所に移動するなどの対策をして、イタズラを予防することが大切です。

しかし「そんな全部を対策できない!」という場合は、ゲージやサークルを利用すると良いでしょう。

ゲージやサークル内に、あまり無駄なものを入れないようにすることでイタズラを最小限に抑える事ができます。

中に入れておくオモチャは、誤って飲み込まないような大きさと堅さのものを選びましょう。

ただし、ゲージやサークルを利用することで、イタズラを完全に防げるというわけではないので、イタズラをさせないように、日頃からしつけや運動をすることが重要です。

尚、ゲージやサークルなどで区切るスペースの広さについては、後述の「2. 室温について」と「3. トイレについて」でお話ししますので、参考にしてください。

2. 室温について

お留守番をさせる時には、室温にも注意が必要です。

犬は人間よりも暑さに弱く、熱中症になりやすい動物なので、暑い日にお留守番をさせる場合は、犬が快適な室温に空調を整えておいてあげる必要があります。

快適な室温は犬によって違うので、普段一緒にいる時の様子をしっかりと観察しておき、その子にとって快適な室温はどれくらいなのかを把握しておくと良いでしょう。

短頭種は特に暑さに弱いので、気をつけましょう!

また、飲み水は犬が体温を下げるために必要になりますので、じゅうぶんに用意しておきましょう。

☆ゲージやサークルなどでお留守番させる場合

ゲージやサークルなどでスペースを制限している場合、空調の風向きにも注意が必要です。ずっと風が当たるような場所だと、犬が体調を崩す原因となってしまいます。

犬は、暑い時には冷たい床の上や涼しい場所に、寒い時にはベッドの上や暖かい場所に移動したいので、ある程度自由に移動できるくらいのスペースは取ってあげるようにしましょう。

子犬や老犬などは体温調節が苦手なので、部屋の冷やしすぎに注意しましょう。

3. トイレについて

普段一緒にいる時はトイレを失敗しないのに、お留守番をさせると失敗してしまう、ということをよく聞きますが、原因の一つとして「トイレが小さい」ということが考えられます。

猫の場合「トイレが汚れていると、他の場所で排泄する」と聞きますが、私の経験上犬も同じで、トイレが汚れてくると、汚れているところを避けて排泄することが多いです。(ただし、マーキングは別です。)

これが原因で、トイレ以外の場所で排泄してしまう事がありますので、お留守番中のトイレの大きさは、普段より少し広めに作ってあげると良いでしょう。

長時間のお留守番でトイレが小さいと感じたら、この様に広げておいてあげましょう。

☆ゲージやサークルなどでお留守番させる場合

動物には、寝床(巣穴)を汚したくないという習性があります。

これは、寝床を綺麗に保つことで身についてくる習性で、まだ寝床から出られないような子犬が排泄をした際には、母犬が処理することで寝床を綺麗に保ちます。

そして、ある程度成長をしたら、寝床から離れた場所で排泄をするようになるのです。

その為、長時間お留守番をさせる際は、ゲージやサークルのスペースがじゅうぶんでないと、何度か排泄しているうちに排泄物が寝床にいってしまい、犬自身が寝床とトイレの区別が出来なくなってしまいます。

そのような環境で育った犬は、トイレトレーニングそのものが困難になってしまいますので、ゲージやサークルなどで長時間のお留守番をさせる場合は、普段よりも広いトイレスペースと、少し離れたところに寝床のスペースをとってあげるようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?

長時間のお留守番が心配なようでしたら、まずは短い時間から練習してみましょう。
それでもお留守番させておくことが心配なようでしたら、お近くのドッグホテルなどの施設を利用することも検討してみてはいかがでしょうか?他の犬との交流も持てて、一石二鳥かもしれませんよ!

たくさん遊んで帰ってきたら、お家でぐっすりと寝てくれますよ♪

それでは次回もお楽しみに♪

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。