ドッグトレーナーのわんポイントレッスン
『おやつを使用したしつけ方法』について
こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。
犬のしつけの方法の一つとして『おやつを使用したしつけ方法』があります。
このしつけ方法は、昔から最もポピュラーな方法として知られていますよね♪
しかし、だからといって全てが上手くいくわけではありません!
今回はこの『おやつを使用したしつけ方法』の良い点と注意して頂きたい点についてお話ししたいと思います。
これから犬を飼い始める方や、しつけの方法に悩んでいる方の参考になればと思います。
では、早速お話ししていきましょう!
◎良い点
1. 誰がやっても集中させやすい
犬のしつけには、犬の集中を自分に向けさせることが重要です。
よく「トレーナーさんの言うことは聞くけど、自分の言うことは聞かない」なんてことを聞きますが、この違いは、犬の集中力の引き出し方にあります。
おやつなどを使わずに、自分に集中を向けさせるためには、少しコツのいる技術になります。
その為、うまくできないと犬が中々集中してくれずに、指示を無視し続けてしまう事になります。
しかし、おやつを持つことで犬の集中を自分の方に向けやすくなりますので、お子様でも比較的簡単に集中させることが出来るでしょう。

この様におやつをあご下に持ってくることで、アイコンタクトも取りやすくなります。
犬がおやつではなく、目を見てくれたらご褒美をあげましょう。
2. 比較的覚えが早い
犬という動物はとても利己的な生き物のため、自分に利益があることに関しては、すぐに覚えます。
「人間が指示を出す」→「人間が望んだ行動を犬が起こす」→「おやつを与える」
この流れさえしっかりと守っていれば、比較的早く指示を覚えてくれるでしょう。

「おすわり」や「おいで」などはおやつを使うと犬も楽しく覚えることができるでしょう♪
「おやつを使用したしつけ方法」は、犬に飼い主が望んだ行動を起こさせる事に向いていると言えますね!
それでは次に、注意して頂きたい点についてです!
▲注意して頂きたい点
1. 「おやつを使用したしつけ」に向いていない犬もいる
ご家庭でしつけを行う際に、どんな犬にもこのしつけ方法が向いているとは言えません。
中には向いていない犬もいますので、注意してください。
自分が向いていないと考える犬は、主に下記の2パターンになります。
A) 食べ物に執着が激しい犬
食べ物を見たり、ニオイを嗅いだりしただけで大興奮してしまう場合、何かを教えようにも、それどころでは無くなってしまいます。
まずは、食べ物に対しての反応を改善させるところから始めなければいけません。

吠えたり飛びついたりしてくる犬の場合、それを抑えることができないとおやつを使うことは逆効果になってしまいます。
B) 食べ物に全く興味が無い犬
先程とは逆で、まったく食べ物に対して反応してくれない犬もいます。
おやつを変えれば、もしかしたら反応することもあるかもしれませんが、新しいおやつにもすぐに飽きてしまう犬がほとんどです。

遊び好きな犬の場合は、おやつよりもオモチャの方が集中力を引き出してくれる事があります。
2. おやつが無いと言うことを聞かなくなる場合がある
ご褒美をおやつに頼りきってしまうと、犬との適切な信頼関係が築けずに、おやつが無いと言うことを聞いてくれないという自体に陥ってしまいます。
そうならない為には、ご褒美をおやつだけに頼るのではなく、ちゃんと愛情をもって褒めてあげる事が大切です。

3. 太らせてしまう可能性がある
おやつを使用したしつけ方法の場合、与えるおやつの量に注意することが必要です。
特に小型犬の場合、人から見たら小さなおやつでも、犬から見たらそれなりの大きさなので、ご飯の量を調節してあげないと太ってしまう原因となります。
あらかじめ、1日のご飯の量を決めておき、その量の中でおやつとご飯の量を調整するようにしましょう。

去勢・避妊手術をした犬も、ホルモンバランスの関係で太りやすくなる傾向にあるので注意しましょう。
また、ダックスやラブラドールレトリーバーのように、元々食欲が旺盛な個体が多い犬種もいます。
適正な量のご飯を与えているのに、まだご飯を欲しがるような素振りを見せても、決してご飯が足りていないということではありませんので、過剰にご飯を与えないように注意してください。
いかがでしたか?
犬も人間と同様に感情がありますので、しつけの方法は1つではありません。
それぞれの方法の良い点・注意する点をご理解頂いた上で、ご自身と愛犬に合ったしつけ方法を探してみてくださいね♪
それでは、また次回をお楽しみに☆
著者プロフィール - 佐久間 力
ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。