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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第13回

自分に合った犬の選び方④『性格』について

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。
さて、「自分に合った犬の選び方」の第4回は、『性格』についてお話させて頂きます。
『育ってきた環境』についても今回お話する予定でしたが、お伝えしたいことが多くなりすぎてしまったため、次回に持ち越します。申し訳ございません。
ということで、気を取り直して早速お話させて頂きます!

4. 『性格』について

性格と一言で言っても様々な性格がありますので、ここでは「しつけのしやすさ」というところに目を向けたお話を致します。
また、最後におまけとして「社交性」についても少しお話し致します。

【しつけのしやすさ】

犬という動物は群れを成す生き物であり、その群れには「序列」というものが存在します。
犬は自分よりも上位と認めた者には素直で従順になりますが、そうでない場合は中々言うことも聞かず、時には支配的な態度(唸る、咬みつく等)をとる事もあります。

そして、その序列を決める際に最も重要な要素は「意思の強さ」です。

意志の強い犬(つまりは「頑固な犬」とも言えます)は、それだけでしつけが難しい傾向にあるので、初めて犬を飼う方や、しつけに対して不安な方にはオススメしません。

犬を飼う上で、しつけは必ず必要になります!
少しでもしつけの負担を減らすためにも、自分に合った性格の犬を選ぶようにしましょう!

それでは、他には書いていないような、意志の強い犬に見られる「身体的特徴」と「行動的特徴」を、私の経験則からいくつか挙げさせて頂きますので、参考にしてみてください。

① 身体的特徴

A) 尾の付け根が太い

ある程度育った犬の場合ですが、意思の強い犬は尾の付け根が太い事が多いです。
これは意思表示の際に力強く高く尾を上げることが多い為、尾の付け根の筋肉が発達するためだと思われます。

少し分かりづらいかもしれませんが、尻尾の付け根の筋肉が発達して太くなっています。
この特徴は、ゴールデンやラブラドールによく見られます。

B) 同胎の兄弟犬の中で身体が大きい

意志の強い犬は子犬のころから、兄弟同士の母乳争奪戦で常に最良の場所(場所により母乳の出る量が違うため)を確保するため、必然的に身体も大きくなっていきます。子犬同士のじゃれ合いでも、優位に立つことが多いです。

オモチャで遊んでいる時も、優位に立っている方がオモチャをとる事が多いです。

C) アンダーショット

これは、噛み合わせの一種で、下顎が過剰に前に出ている噛み合わせのことです。ブルドッグやシーズーなどの短頭種の多くは、元々がアンダーショットなのですが、そうでない犬種、例えばチワワやトイプードルなどに見られる場合は、注意した方が良いでしょう。

これはブルドッグですが、ブルドッグという犬種自体、自分の意思が強く、しつけが難しい傾向にあります。

当然、アンダーショットの犬でも素直で従順な子はいますが、私が出会ってきた犬(ペットホテルや散歩中に出会う犬)の多くは、頑固な子がほとんどでした。

② 行動的特徴

A) 力強く尻尾を上げる

これは身体的特徴とも言えるかもしれませんが、意思の強い犬は、他の犬と接する時(特に同性同士)に、尻尾が力強く上がっている事が多いです。
これは、少しでも自分を大きく見せることと、肛門腺から出されるニオイで自分をアピールしているためと言われています。

普段、穏やかな状態の時は尻尾を垂らしていることがありますが、散歩などで気合いが入ると、尻尾をクッと上げた続けた状態で歩いていることが多いです。

B) 自分の場所を譲らない

意志の強い犬は、一度得た権利を中々譲ろうとしません。他の犬が近づいてその場所に割り込もうとしたりすると、唸って威嚇をすることもあります。

人間がその場所から退かそうとしても、頑として動かなかったり、寝たまま聞こえないふりをしたりもします。相手が飼い主の場合でも、唸って威嚇したり、中には攻撃してきたりする場合もあります。

★ おまけ【社交性】

最後に社交性について少しお話し致します。

犬も人間と同様に、初めから他の子と遊べる社交性を持った犬もいれば、そうでない犬もいます。
初めから社交性を持っている犬は問題ないと思いますが、そうでない犬はそのままにしておくと、知らない犬や人に対して恐怖を感じるようになり、見かけるだけで吠えるようになってしまうことがあります。
そうならないためにも、子犬の頃から色々なことに慣れさせる必要があるのですが、これ以降は次回お話しさせて頂きます。

どんな犬とも仲良くできた方が、安心ですね♪

いかがでしたか?
犬の性格を見極めるというのは、非常に難しいことです。また、ペットショップやブリーダーから飼育環境が変わることによって、行動が変化する場合もありますので注意してくださいね!

それでは次回もお楽しみに!

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。