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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第10回

自分に合った犬の選び方①『犬種』の選び方

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。
皆さんは、飼う犬を選ぶ時にどのように選びますか?
見た目の可愛さや一時の感情だけで決めてしまってはいませんか?

もちろん直感も大切かもしれませんが、長ければ10年以上も一緒に暮らす『家族』になるわけですから、見た目の可愛さや一時の感情だけで決めてしまわないよう、犬を選ぶ際のポイントを、3回に分けてお伝えしていこうと思います。

これから犬を選ぶ際にポイントとなるのは、大きく分けて『犬種』『年齢』『性別』『性格』『育ってきた環境』の5つがあります。
この5つのポイントによって、しつけの仕方やしやすさ、必要な運動量、または食事やお手入れにかかる費用などが変わってきますので、是非皆さんに知っておいていただければと思います。

同じ犬でも見た目や性格は様々。まさに十人(犬?)十色です!

★はじめに

まずポイントについてお話をする前に、以下の項目について考えてみましょう。

  1. ① どんな犬にも「散歩」と「しつけ」が必要なことを理解しているか
  2. ② 飼育スペースはどれくらいとれるのか(子犬から飼うときは将来的な事も考えて)
  3. ③ 主に散歩や世話をするのは誰になるのか
  4. ④ 犬の散歩や世話の為に、毎日どれだけ時間をとれるか
  5. ⑤ 留守番をさせる時間はどれだけあるのか
  6. ⑥ 経済的にどれくらい余裕があるのか
  7. ⑦ すでに他のペットを飼っている場合、相性はどうか
  8. ⑧ 犬の最期を看取る覚悟をもっているか

いかがですか?他にも考えることはありますが、最低でも上に記した事は家族全員で考えておく必要があります。
もしひとつでもハッキリとしない事があるならば、犬を飼うのはもう少し待ちましょう。ご家族でしっかりと話し合って決めてからでも遅くはありませんよ!?

それではポイントについてお話させて頂きます!

1.『犬種』によっての違い

まず皆さんが気にするポイントとしては、多くの方がこの『犬種』ではないでしょうか?
ただし、気に入った犬種があなたに合った犬種だとは限りません。初めに考えた項目を基に考えていきましょう!

【運動量】

犬種によって、この運動量がとても必要な犬種と、そこまで必要のない犬種がいます。必要な運動量を満たすことが出来ないと、問題行動に繋がるだけではなく、ストレスから病気に罹りやすくなってしまいます。

運動量のあまり必要のないチワワのような犬種でも、1日2回 朝・夕30分ずつは散歩に出してあげたいところです。

逆に、同じような小型犬でも、イタリアングレーハウンドやジャックラッセルテリアのように、とても多くの運動量が必要になる犬種もいます。

主に誰が散歩に出すのか、どれくらい時間がとれるのか、というところに関わってきます。

活発な犬種の代表ともいえるジャックラッセルテリア。犬と一緒に遊ぶのが大好きな方に向いた犬種と言えるでしょう。

【大きさ】

大きさによって、飼育スペースが変わってきますし、食事にかかる費用にも関わってきます。ペットホテルやトリミングの料金も、大きさや体重によって変わってくるので、注意が必要です。

また、普段お散歩に出すのが女性になる場合、大型犬の引っ張る力に負けてしまう場合があるので注意が必要です。

ただし、賃貸物件にお住いの場合は、建物やお部屋によって、飼育できるペットの大きさが規約で制限されている場合がありますので、必ず事前に確認するようにしましょう!

飼育スペースは最低限でも、犬が手足を伸ばして寝られるスペースは確保するようにしましょう。

【しつけのしやすさ】

犬種によってしつけのしやすさが変わってきます。

トイプードルやキャバリアのような、初めて犬を飼う人に向いている犬種もいますが、ブルドッグやハスキーのような、自分の意志の強い犬種はしつけが難しいので、初心者にはお勧めできません。

柴犬や秋田犬のような和犬も、しつけの難しい傾向にある犬種です。

【お手入れのしやすさ】

プードルのような毛が伸び続けるようなタイプは、定期的にトリミングが必要になるので、抜け落ちるタイプに比べてお手入れの費用が掛かります。また、自宅でシャンプーをしようとしても、しっかりとしたブローが出来ないと、毛がもつれて皮膚病の原因にもなってしまうので注意が必要です。

トイプードルの場合、毛の長さにもよりますが、最低でも1~2ヶ月毎にトリミングに出してあげるようにしましょう。

柴犬のように毛が抜け落ちるタイプの犬は、日頃から(換毛期はとくに)ブラッシングや部屋の掃除が必要になるので、その分の時間が必要になります。

【犬種の特性や性質】

犬種によって、ダックスやビーグルのように吠えやすい犬種や、ジャックラッセルテリアやコーギーのように攻撃性が出やすいような犬種もいます。

また、同じ犬種でも毛色や毛質によっても性質が違う場合があります。

例えば、ラブラドールの場合、毛色によって性質の違いがあり「イエロー<ブラック<チョコ」の順で興奮しやすい個体が多くみられますので、落ち着いたラブラドールが欲しい場合は、イエローから選ぶと良いかもしれません。

比較的落ち着いた性質のイエローでも、若い時は元気いっぱいです!

ダックスの場合、毛質によって性質に違いがあり、スムースを基準とした場合、スパニエル系との交配で産まれたロングヘアーは穏やかで、テリア系と交配して生まれたワイヤーヘアーは独立心が高いと言われています。

これにより、しつけの仕方や飼育上の注意点が変わってきます。

【遺伝的疾患】

ラブラドールの「股関節形成不全」や、トイプードルの「膝蓋骨脱臼」など、犬種によって遺伝的に発症しやすい疾患を持っている場合もあるので、事前に知っておくと良いでしょう。

また、アメリカンコッカースパニエルのバフという毛色では「突発性攻撃症候群」という、精神的な疾患が見られることもあります。

当然、「突発性攻撃症候群」はみんなが持っているわけでは無いので、ご安心くださいね!

病院に関わる費用や、しつけの仕方に繋がります。

いかがでしたでしょうか?このように、犬種だけでも様々な違いが出てきます。そして必ず犬種ごとにメリットとデメリットがあるので、気になった犬種はご自身で事前にしっかりと調べるようにしましょう。

またMIX犬の場合は、基になった犬種が分かれば、その犬種について調べておくと良いでしょう。

純血種では出せない魅力がMIX犬にはありますね!ちなみにこの子は、トイプードルとヨークシャテリアのMIXです。

次回は「『年齢』と『性別』の選び方」についてお話させて頂きます!お楽しみに!

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。