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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第6回

問題行動その② トイレのしつけと失敗の原因について

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。第6回目の今回は『トイレのしつけと失敗の原因』についてお話していきます。

自分の犬が中々トイレを覚えてくれなかったり、環境の変化で突然できなくなってしまったり、失敗のケースは様々です。その中でも比較的相談の多い3つのパターンについてお話致します。

1. 引っ越し後、又は購入・引取り後にできなくなってしまった場合

失敗の原因

考えられるのは環境の変化です。

引っ越し後の場合によく見られるのが、飼い主の態度の違いです。犬が新しい環境に慣れるかどうか不安そうにしていると、犬は異常を感じとって普段しないような行動をしてしまう事があります。

購入・引取り後では、使っていたペットシーツが変わってしまったり、トイレのしつけの方法が変わってしまったりすることが考えられます。

対処方法

飼育環境が変わることで、犬も戸惑いはあるはずなので、多少の失敗は覚悟しておきましょう。
また、万が一失敗をしても部屋が汚れないように、トイレをちゃんと覚えるまではマナーベルトやオムツの着用をお勧めします。

犬と出かけられるスポットには、マナーベルトの着用が義務付けられている場所もあるので、慣れさせておくと良いでしょう!

引っ越し後にできなくなってしまった場合は、以前行っていたトイレトレーニングを、また改めて行うと良いでしょう。

購入・引取り後にできなくなってしまった場合は、購入・引取り元で使用していたペットシーツと同じ種類のものを使用するようにします。
同じペットシーツでも種類が変わることで、材質やにおいが変わり、犬はトイレとして認識できない場合もあります。

足を上げて排尿する子には、このようなトイレの一部が立ち上がっているものを使用すると良いでしょう。

また、購入・引取り元でどのようなトレーニングをしていたかを聞くことも大切です。家に迎え入れてから違う方法でトレーニングしてしまうと、犬が混乱してせっかく覚えた事が出来なくなってしまうことがありますので、家でのトイレをしっかり覚えてくれるまでは、購入・引取り元と同様のトレーニングを続けるようにしましょう。

2. まだトイレを覚えていない場合

失敗の原因

そもそも覚えていないので、失敗して当たり前ですね!

対処方法

購入元でトイレトレーニングを覚えていないことや、教えていないこともあります。そのような場合は、家でしっかりとトレーニングをする必要があります。

方法のひとつとしては…

犬が排泄しそうなタイミング(食事の後や走り回った後など)になったらトイレまで連れて行ってあげます。

トイレまで連れて行ったら、出られないように囲いをして、しばらく放っておきます。
この時に声をかけたり見つめていたりすると、犬が気にして排泄できなくなってしまう事があります。気にしない素振りをしながら、横目で気にするようにしましょう。

トイレのにおいを嗅ぎ始めたらもうすぐです!

犬が排泄できたら、褒めて囲いを外してあげましょう。ご褒美に少量のおやつを与えても良いでしょう。

これを根気よく続けていきましょう。「トイレで排泄すると良いことが待っている」と犬が学習すれば、排泄したくなったら自分の意志でトイレに行くようになります。

3. 室内でのマーキングをしてしまう場合

失敗の原因

家の中や散歩中のルールを作っておらず、散歩中にも犬の好き勝手にマーキングをさせていることが多いです。

なぜルールが必要かというと、犬は群れを成す動物であり、群れには秩序を保つためにルールが必ず存在します。そして、そのルールを決めるのはボスの役割なのです。

そして、マーキングとは縄張りの主張であり、群れのボスの役割なのです。

つまり、人間がルールを作って犬に従わせておかなければ、犬が勝手にルールを作り、犬が群れ(家族)のボスになってしまうのです。その結果が、室内でのマーキングに繋がってくことが考えられます。

対処方法

まず、家の中でのルールをしっかりと作るようにしましょう。

例えば「キッチンや寝室には、勝手に入ってはいけない(柵で強制的に入れないようにするのは、あまり効果がありません)」とか「人間が来たら場所を譲りなさい」などです。
その中には当然「好き勝手にマーキングしてはいけない」ということも入っています。

柵がなくてもこのようにしっかりと待っていられるのが理想です。

次に散歩中のルールです。
「横について歩きなさい」とか「許可をした場所以外ではマーキングさせない」などです。

散歩中に犬が止まってにおいを嗅いだからといって、一緒になって立ち止まるのはNG!
「勝手ににおいを嗅ぐ=飼い主を無視している」ということです。

※ルールに従わせる際に重要なことは、言葉ではなく毅然とした態度をとることです。

しっかりとルールを作り従わせることで、犬との関係性を築いていきます。そうすることで、マーキングの回数が減ってくるかもしれません。

ただし、マーキングは一度癖がついてしまうと、中々止めさせることは難しいので、室内では部屋を汚されないようにマナーベルトやオムツの着用をお勧め致します。

番外編.トイレから微妙に外れてしまう場合

失敗の原因

これは失敗というか、本人(本犬?)はトイレでしているつもりなので仕方がないですね。

対処方法

トイレを広げても端の方でする子はどうしてもはみ出してしまいます。トイレよりも一回り大きい防水性のシートなどを敷いて、部屋が汚れないようにしましょう。

以上、『トイレのしつけと失敗の原因について』お話させて頂きました。

但し、子犬の頃の環境によっては、色々な方法を試しても中々覚えてくれない場合もあります。お困りの際はお近くの専門家までご相談されると良いでしょう。

次回は「お散歩中の問題行動」についてお話していきます!お楽しみに!

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長を務めると同時に、母校でドッグトレーナーの講師として学生への指導を行っている。