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【特別レポート】動物保護団体「一般社団法人 おーあみ避難所」

旭化成専属獣医師の佐々木亜子がペットに関する疑問や相談をその道のプロに直接聞きレポートする「プロの考え、プロのこだわり。」
今回は、犬猫の保護を行い、その子たちの幸せのために活動を続けている「一般社団法人 おーあみ避難所」を訪れました。スペシャル版として3回にわたってレポートをお届けします。一緒に動物保護活動を知り、理解を深めましょう。

第2回 おーあみ避難所について

佐々木

佐々木

前回は「おーあみ避難所」の設立の経緯や、保護活動として行っていることを総体的にご紹介しました。
第2回では実際の保護猫の様子やボランティアさんたちの活動内容について深掘りします。

保護猫たちが抱えている問題と向き合う

現在、「おーあみ避難所」のメインシェルターで生活している猫は80匹、犬が9匹。飼育放棄や事故・怪我などさまざまな経緯でやってきたこともあり、問題を抱えている猫も少なくありません。それでも、実際にシェルターの猫たちの様子を見てみると、のんびりとした表情の子もいっぱいいます。

ここに来るまで人間と全く関わったことがない猫たちはビビりでなかなか慣れにくいことが多いし、飼い主の事情でここに来た猫は保護直後に「なんでここに入らなきゃいけないの?」と狂暴化することもあります。

ちゅ~る大好き

そんな猫たちに対し、「心安らぐ場所を作ってあげたい」という強い気持ちを持ったボランティアさんたちが、その子が好きそうなおやつをあげたり、話しかけながら愛情をもって接していくことで、少しずつ心を開いてくれる猫たちも多いそうです。

避難所の活動を支えるボランティアの存在

休みなく必要となる猫や犬のお世話。動物ファーストで一生懸命お世話をしてくれるのが、ボランティアさんたちです。
現在、おーあみ避難所にボランティアとしてLINE登録をしているのは130人程。SNSやテレビを見て避難所の存在を知り関わり始めた方、近所だからと連絡を取ってきた方など、きっかけはさまざまです。

“動物が好きで、何らかの形で保護活動をしたい”という方がほとんどで、年齢的にも学生からシニアまで幅広く、親子で参加してくれるケースもあります。女性ボランティアが圧倒的に多いのですが、最近は男性ボランティアも増えてきました。

避難所にきてお手伝いをしてくれるシェルターボランティア以外に、YouTubeで動画をアップしてくれる人、里親募集をインターネットでアップしてくれる人、手芸が得意で譲渡会で売るチャリティーグッズ製作をしてくれる人など、自分の得意分野で関わってくれるボランティアの存在も欠かせません。

猫の日々の生活を支えるシェルターボランティア

動物のお世話で避難所に通うシェルターボランティアは、朝は9時頃から活動スタート。主にトイレ掃除、ご飯の準備、ケージの掃除、投薬などを行っています。午後にはやり足りないことを行い、時には通院のお手伝いをすることもあります。

時間帯は朝から活動をする午前の部だけでなく、夕方以降20時頃までボランティアを行う夜の部もあり、各自の都合も配慮しながらスケジューリングし、朝晩あわせると毎日10人以上のボランティアが避難所で活動。ごはんをあげるのが好きな人、掃除が好きな人、それぞれの得意分野で重点的にボランティアを行っています。

シェルターボランティアで特に大切なのは継続性で、月に2回以上来られる方が基本。動物を飼ったことない人でもボランティア活動は受け入れており、最近は大学の実習生も受け入れています。

  • 猫の様子が書かれた申し送りノート

猫が心を開いて幸せな表情をするようになって、家族が見つかることが何より嬉しい

長年シェルターボランティアをされているKさんは元々ペットシッターをしていて、大網さんの猫たちを預かったご縁からこの活動に加わるようになったそうです。

ボランティアスタッフのKさん

「辛いことは猫が病気になって少しずつ具合が悪くなっていく様子を見る時、そして嬉しいことは病気だった猫のケアをしてどんどん回復していって幸せになること。家族が決まって里親さんに『ご縁をいただいて感謝している』と言われることが活動していて励みになる」と語ってくださいました。

佐々木

佐々木

「おーあみ避難所」では、猫の看取り的なスタンスで保護猫を受け入れるケースもあるそうです。「一番辛いのは動物たち。本来なら家庭で、その子のために泣いてくれる家族に看取られてくれたら嬉しいが、それが叶わなくてもうちで多くのボランティアさんにお世話をしてもらった中で命を全うしてほしい。私たちは動物を助ける団体なので、その辛さを乗り越えないといけない」という大網さんの言葉が印象的でした。

おーあみ避難所の可愛いにゃん!な猫FILE ~その2~

沖縄で保護されたゴロセンちゃん。「死んでいるのでは?」という状態で保護され、やせ細って疥癬もひどかったのですが、今では丸々して幸せな寝顔を見せてくれます!

  • 保護されたときはこんなにガリガリでした

一般社団法人 おーあみ避難所

里親やボランティア・支援を希望される方は、ホームページより詳しい情報をご確認ください。