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【特別企画 第4弾 】ペット保険について(中編)/ 旭化成ホームズ少額短期保険株式会社 営業管理部長 三崎 忍さん

ペット保険の知っておきたい補償の種類と範囲

前回のペット保険コラム「前編」では、ペット保険の必要性についてご紹介しました。「ペット保険が大事なのはわかったけど、どんな種類があって、何がどう補償されるのか、わからない」という方も少なくないでしょう。
そこで、今回「中編」では、ペット保険の補償の種類や範囲を紹介し、選び方のヒントをお伝えします。

ペット保険の補償の種類は、保険会社やプランによって異なる

ペット保険の補償の種類には、大きく次のふたつがあります。

一定割合で補償

ペットの診療費に対して、契約時に決めた補償割合(例:50%、70%、100%など)で保険金が支払われるタイプです。

例)補償対象となる診療費:20,000円の場合

補償割合 支払われる保険金 自己負担額
70% 診療費20,000円×補償割合70%
14,000円
6,000円
50% 診療費20,000円×補償割合50%
10,000円
10,000円

※保険会社によっては、補償対象の日数や回数、または支払限度額に上限を定めています。そのため、全額が補償されない場合があります。

メリット
  • 保険料が比較的安価
デメリット
  • 診療費の一定割合しか補償されないので、自己負担が生じる
  • 補償割合が高いほど、保険料が高くなる
こんな人におすすめ
  • 保険料を抑えたい人
  • ケガや病気をする可能性が低い、若いペットを飼っている人

限度額内で補償

保険の補償額に上限が設けられ、その範囲内で治療費が全額、または一部が補償されるタイプです。

例)年間補償限度額が700,000円の場合

その範囲内で、通院費や手術費、入院費用が保険金として支払われる

メリット
  • 限度額内であれば、治療費が全額、または一部が保険金として支払われる
デメリット
  • 保険料が比較的高め
  • 年間補償限度額が比較的低めで、これを超える診療費は補償されない
  • プランによっては、一定額を超えない診療費は補償されない
こんな人におすすめ
  • 高額な診療費(手術や高度な治療が必要な病気)が心配な人
  • ケガや病気になりやすい高齢のペットを飼っている人

ペット保険の主な補償範囲

一般的なペット保険の補償範囲は、「通院」「入院」「手術」です。

通院補償

ペットがケガや病気で動物病院に通院した際の診療費(診察や処置費用、薬代などを含む)を補償します。通院補償によって、飼い主は診療費を心配せず、気軽に通院できるというメリットがあります。

入院補償

ペットの入院費用(診察や処置費用、薬代などを含む)を補償します。獣医師に入院を勧められた、または自宅での治療や療養が難しい場合に役に立ちます。

手術補償

ペットの手術費用(術前の検査や術後の治療費などを含む)を補償します。

これらのほか、次のような補償を提供するペット保険もあります。

  • 車イス補償:ペット用車椅子の費用
  • 葬儀費用補償:ペットの火葬や葬儀費用
  • ペット賠償責任特約:ペットが人や動物にケガをさせる、物を壊すなど、賠償責任が生じた場合の費用

ペット保険の主な補償対象外のケース

ペット保険は、ペットのケガや病気の診療費を補償するものですが、補償対象外になるケースもあります。保険会社によって内容は異なりますが、ここでは一般的なケースをご紹介します。

  • 既往症や先天性・遺伝性疾患:保険契約前に発症していたケガや病気、特定の種別に多く見られる疾患(膝蓋骨脱臼、骨軟骨異形成症、肥大型心筋症など)
  • 予防医療に関するもの:健康診断やワクチン接種(狂犬病、フィラリア、ノミ、ダニほか)などの予防目的の医療行為
  • 妊娠や出産に関するもの:去勢や避妊手術も含む
  • 特定の治療:歯科治療や特定の病気(椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼など)の治療
  • 美容や衛生目的:被毛のカット、爪切りや肛門腺絞りなど
  • 診療にあたらないもの:サプリメントやカウンセリング、診断書のような文書作成費用など
  • 飼い主の過失や不注意によるケガや病気

まとめ

ペット保険は、保険会社やプランによって補償内容が異なり、それぞれメリットやデメリットがあります。また、補償対象外の内容も異なるため、しっかり確認しましょう。

次の最終回では、ペット保険の選び方や注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。