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【特別企画 第4弾 】ペット保険について(前編)/ 旭化成ホームズ少額短期保険株式会社 営業管理部長 三崎 忍さん

ペット保険って必要?「貯金で備える」はダメ!?

犬や猫の飼い主さん同士のコミュニティで、「ペット保険」が話題になることはありませんか?うちの子はまだ若いし、病気知らずだから!と思いつつも、友だちから「うちの子がケガして、治療費が大変だった」なんて話を聞くと不安になったり……。
でも、本当に必要なの?保険会社はたくさんあるし、どこにすればいいの?と思われる方も多いのではないでしょうか。また、すでに加入している方は、今のままでいいのかな?ほかのペット保険はどうなの?と思われるかもしれません。

本コラムでは、前編、中編、後編にわたって、ペット保険を解説します。前編では、ペット保険がペットの治療費をカバーしてくれるのはわかっていても、実際どうなのか、本当に必要なのかを事例を含めて紹介します。

ペット保険の加入者が増えている理由

獣医療の向上や、犬や猫の食生活、住環境の改善により、ペットの寿命は大幅に延びています。一方で、治療費は高額化し、年を取ればケガや病気にかかりやすくなります。
また、ペットを家族の一員として考える飼い主が増え、ケアに対する意識の高まりが、ペット保険の普及を後押ししていると言えるでしょう。

ペットもケガや病気になり、高額な治療費が必要になることも

ペットと共に暮らすには、さまざまな費用がかかります。医療費もそのひとつです。

ペットが高齢になると、がんや心臓病のような深刻な病気になるかもしれません。その治療費は、数十万円にもなります。
また、犬に多い病気として、皮膚病や消化器疾患(おう吐や下痢など)、関節の問題(関節炎や膝蓋骨脱臼など)が、猫では尿路結石や腎臓病といった泌尿器疾患があります。
これらは通院や手術が必要で、治療費は数万円から数十万円に及ぶ場合もあります。

ペットには公的な保険制度がありませんので、こうした治療費は全額自己負担です。

治療費例:犬の膝蓋骨脱臼(外科治療)

通院費(7日) 85,000円
入院費(4日) 75,000円
手術費(1回) 135,000円
治療費合計 295,000円

治療費例:猫の泌尿器疾患(細菌性膀胱炎・尿結石)

通院費(3日) 22,000円
入院費(4日) 70,000円
手術費(1回) 91,000円
治療費合計 183,000円

「うちの子は、まだ若いから大丈夫」と思われるかもしれません。しかし、よく知られる歯周病は、3歳以上の犬や猫の約8割がかかっていると言われています。
歯石除去であっても、犬や猫はじっとしていられないため全身麻酔が必要です。その治療費は2万円以上、重症化すると抜歯を行い、10万円を超える場合も。
また、好奇心から誤飲する、高所から飛び降りて骨折すると、手術が必要になるでしょう。

治療費例:犬の歯周病

通院費(3日) 37,000円
入院費(2日) 41,000円
手術費(1回) 101,000円
治療費合計 179,000円

※治療費例の内容は、ペットメディカルサポート株式会社の「PS保険」に保険金請求されたものです。上記金額は、平均や水準を示すものではありません(1,000円未満は切り捨て表示)。

貯金をして備えれば安心?万が一は今日訪れるかも!

ペット保険に入らず、貯金をして備えればいいと考える方もいるでしょう。しかし、ペットのケガや病気の時期は予測が難しく、想定以上の医療費がかかるかもしれません。ペット保険に加入していれば、すぐに補償を受けられますので、安心と負担軽減に役立つでしょう。

まとめ

ペットも高齢になれば、ケガや病気になりやすくなります。しかし、若ければ絶対にならないというものでもありません。公的な保険制度のないペットの治療費は、飼い主の自己負担であり、想像以上の金額になる場合もあります。ペット保険は、万が一の負担を軽減し、ペットが健やかで幸せな生活を送るために大きな助けとなるでしょう。

続く中編では、さまざまなペット保険の種類、補償内容について紹介します。