+わん+にゃん写真講座
キレイなイルミネーションとペットでキラキラ写真

写真:jonathan.leung
年の瀬が迫るとキラキラと街を彩るイルミネーション。そのイルミネーションと愛するわんちゃん、ねこちゃんを一緒に撮れれば素晴らしい思い出になります。
今回はイルミネーションを『玉ボケ』にして、キラキラ写真を撮ってみましょう。

【今回のポイント】
- イルミネーションの探し方
- イルミネーションとの距離感
- 望遠にレンズをズーミング(一眼レフ・ミラーレス・コンパクトデジカメ・一部のスマホ)
- 顔が暗い時にライトを点ける
レッスン 1:背景は広いところを探そう!
まず最初に、背景となるイルミネーションを探しましょう。
屋外の場合は、できるだけ広い範囲にイルミネーションを飾っている場所を探します。
屋内では、クリスマスツリーなど季節感のある背景もよいですね。
アングル(カメラの向き)は、地面から近いローアングルをおすすめします。

屋内ではクリスマスツリーなど電飾のある広いお部屋がベストです。
レッスン 2:わんちゃん、ねこちゃんに近づいて、背景は遠く
イルミネーションとの距離感が大切です。
イルミネーションは丸くボカすと、とてもキレイです。これを専門的には『玉ボケ』もしくは『丸ボケ』と言います。玉ボケを作るには、次の2つがポイントです。
- わんちゃん、ねこちゃんまで、できる限り近づく。
- わんちゃん、ねこちゃんから背景のイルミネーションまでの距離をできる限り広くあける。

この理由は、写真ではピントが合っている被写体に近ければ鮮明になり、遠ければボケるという性質があります。『玉ボケ』はボカシの表現方法なので、遠く離した方がよいというわけです。
レッスン 3:カメラで寄ったら、レンズでも寄る
望遠にレンズをズーミングしましょう。
一眼レフ、ミラーレス、コンパクトデジカメ、一部のスマホには望遠レンズズーム機能が付いています。
望遠レンズで撮ることで、2つのメリットがあります。
- 『玉ボケ』が大きくなる。
望遠レンズの特長の1つで、ボケが大きくなるという性質があります。
この性質を使って『玉ボケ』を大きくして、より雰囲気のある写真にしましょう。 - 写る背景が狭くなる。
これも望遠レンズの特長で、写す範囲を狭める効果があります。
広角レンズの逆なので、正確には『狭角レンズ』ということです。
とくに室内は写真に写って欲しくないものもありますので、なるべく望遠レンズを使い、写る範囲を絞りましょう。
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望遠レンズで撮影した場合、玉ボケが大きくなる
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広角レンズで撮影した場合、玉ボケが小さくなる
スマホでもピンチなどで大きく拡大できますが、これは光学ズームと違い写真をトリミング(部分的に切り取る)して大きく見せているだけです。スマホのみで写す範囲を狭くすることは一部(アイフォン7プラス)を除いてできません。その場合、市販のスマホ用望遠レンズアタッチメントを利用して、望遠レンズの効果を得ましょう。
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市販されている望遠レンズアタッチメント
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レッスン 4:顔が暗い時はライトかレフ板
室内全体を暗くすると、イルミネーションがキレイに浮かび上がります。
しかし、その時は被写体の顔も暗くなってしまいます。そのような場合のポイントは2つあります。
- すごく暗くて顔の判別が不可能な場合は、懐中電灯やデスクトップライトなどの動かしやすいライトを被写体に当てましょう。
- 被写体が少し暗い程度ならば、白い紙や布、つまり白い色のモノを被写体に向けて明るくします。
(この効果をレフ板効果と言います)
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このような暗さではライトを当てた方がよい
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ライトを当てると顔をはっきりと見える
上級者向けレッスン
一眼レフカメラをお持ちの方は、こんな方法も試してみてください。
- 黒い紙をお持ちのカメラのレンズの径に合わせて丸く切り取ります。
- 円の中央部分に5ミリ程度の大きさの穴を開けます。
- この穴の形を『ハート』や『星』のマークに変えると、ボケの形がその形になります。
ディズニーでしたらミッキーのマークにすると、ボケが全てミッキーになるという訳です。
形が変わらない場合は、『望遠レンズ』にして『f11』に設定してみてください。穴の大きさは大きくし過ぎると形が変わらないので要注意です。

写真:jonathan.leung
ひと言アドバイス
わんちゃん、ねこちゃんも人間と同じで、突然カメラを向けると怖くなります。一度怖いと認識してしまうと、その後リラックスした顔を撮ることが難しくなってしまいます。
そんな事態にならないように、日頃からカメラを目の届くところに置いておくか、箱などで疑似カメラを作って慣れさせておきましょう。
著者プロフィール - 関根 統(せきね おさむ)
秋山写真工房でのアシスタントを経て独立。師匠である蛭川有裕氏の伊勢丹WEBサイトの商品撮影にて、商品の魅力をいかに引き出すかというシンプルながら奥の深い世界に魅せられ、その後、商品撮影カメラマンとして書籍、広告と幅広く活躍する。
平成25年、商品撮影コンサルタントpa-luceを設立。個人の持っているカメラで魅力ある写真を撮れるよう、わかりやすく伝えるのがモットー。