+わん+にゃん写真講座
見せるためのとっておきの写真を撮りましょう!

最近流行りの画像共有アプリ「インスタグラム」で見つけるわんちゃんやねこちゃんの写真はとても可愛いものばかりです。スマホで撮影した手軽なショットが多く、温かい感じでとても親しみを感じます。
目につくお気に入りの写真を何度も見ていると、それらが手軽に撮っているように見えますが実は時間をかけて撮影していることがわかります。
ふとした時に見せるシャッターチャンスは、見つけてからシャッターを切っても間に合いません。良い写真を撮るためには、じっくりとその時を待つようにしましょう。
プロから見て評価の高い写真とは、どのようなものでしょうか?
1. 撮りたい表情を待って撮影している。
カメラを向けて目線をもらうためにわんちゃんやねこちゃんの名前を呼んだりしますね。そこでシャッターを切るわけですが、もうひとつアクセントが欲しいところです。たとえば、舌を出したり、耳を立てたりといった表情ができたところを捉えられれば、数少ないシャッターチャンスをモノにできます。ペットたちの表情を引き出すためには、名前を呼んだり、おもちゃで気を引いたりと、気長に撮りたい表情を待つことが一番大事です。
苦労の多い撮影ですが、飼い主だけがわかる、わが子のちょっとした表情を切り取ることができれば貴重な写真になります。
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良い例
表情が豊かで、魅力的な写真です
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悪い例
表情がなく、暗い印象の写真です
2. 場所を考えて撮影している。
屋内は少し暗くてスマートフォンのカメラでは苦手な場所となります。せっかく良い表情で撮影できても暗くなってしまうケースがしばしばあります。お気に入りの表情を待って撮影する場合、部屋の窓辺など明るい場所を最初に選ぶことをおすすめします。
窓のカーテン越しに撮影すると逆光になりますが、わんちゃんやねこちゃんを明るく撮ることができれば立体感(光のメリハリ)のある爽やかな写真が撮れます。また明るい場所でシャッターを切れば、手ブレ防止にもつながります。
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良い例
窓辺で撮影すると、明るく立体感のある写真になります
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悪い例
屋内で普通に撮影すると、暗い写真になってしまいます
3. 撮影するアングルを考えている。
寝ているところは、よく撮影するシーンのひとつです。わが子が寝ているところはどんな写真でも可愛いものですが、人に見せることを考えると、これまで撮影したカットで強くアピールできているでしょうか?
行儀よく足を揃えて寝ている場合はローアングルで前足と顔のアップで撮影、足を広げてくつろぎ過ぎている大胆なポーズは、引いて俯瞰(ふかん)から撮ると面白い写真になります。
このように、わんちゃんやねこちゃんのポーズ(状態)によって撮影する位置を変えるだけで、ちょっとしたシーンであっても新鮮な写真が表現できます。
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アングル事例:1
大胆なボースは引いて俯瞰から撮りましょう
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アングル事例:2
ローアングルから撮っても面白い写真になります
以上の説明は撮影テクニックという直接的なものではありません。撮影者が「良い写真とは何か」を知るための基本的なことですから、しっかりと覚えておきましょう。
これらのポイントを写真にするために、ピントの合わせ方、ブレないための撮影方法、基本的なカメラ操作など、スマートフォンを用いたテクニックを次号からはご紹介いたします。
撮影協力(モデル犬):翔ちゃん・アロマちゃん
著者プロフィール - 森岡 篤
写真家。1967年、三重県生まれ。都内写真スタジオに勤務し、スタジオマンとして写真を基礎から学ぶ。後に出版社に入社。社内カメラマンとして働き、その後フリーランスとして独立。雑誌を中心に人物、動物、料理、ファッション、商品撮影など幅広く活動。
子供と接するように、楽しく語りながら撮影していく彼のスタイルには定評があり、撮影会でも大人気。