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+にゃんコラム

【遊】ペットも人もしつけは遊び!|第6回

猫もトリック(芸)でコミュニケーションを!

猫が犬と同じようなトリック(芸)をしている動画を見たことがありますか?
海外のドッグトレーナーの方が配信した動画で、2 頭の犬と一緒に1 頭の猫がお座りやハイファイブ(片方の前足を上にあげて人の手と合わせる)やロールオーバー(伏せから体を横方向に1 回転してまた伏せに戻る)など、犬と同じようなトリックを次々としていくものです。

繰り返し褒めて伸ばす陽性強化トレーニング

猫とのコミュニケーション方法として、前回ご紹介した遊びがありますが、さらにコミュニケーションを深めたい方は、猫に何かトリックを教えるのも楽しいのではないかと思います。教えたいと思った方は、褒めたり、報酬を与えたりする“陽性強化トレーニング” で教えてください。猫に教える場合、「いけない」と叱っても、うまくはいきません。猫は叱られれば自分の身に危険を感じて、飼い主さんを怖がるだけになってしまい、その結果、一緒に何かをやるという事が難しくなってしまいます。

  1. 食べ物やおもちゃ遊びなど猫が欲しい(やってほしい)と思う事
  2. 声がけや撫でるなど猫がすでに飼い主さんとのコミュニケーションで心地よいと感じている事

などがあります。
特に飽きっぽい猫には、これらの報酬を上手に使いこなすことが必要です。

陽性強化を利用した「お座り」の教え方

食べ物(一口大にしたトリーツやスプーンに入れたレトルトなど猫の好きなもの)を鼻先から頭上にあげます。頭が上がるのでお尻が下がるというルアー方式で誘導して、座ったら「イエス」や「グッド」という合図で与えます。“その言葉のあとには報酬が来る” という合図を一つ作っておくと猫がその言葉に期待感を持つようになります。座ったら合図で報酬を与えることを繰り返していると、座ったら良い事があるので「座ればいいんだよね」というように座る行動が増えてきます。座る直前に「お座り」という言葉を言って、あたかもお座りの言葉で座ったかのようにしていきます。

徐々に「お座り」という言葉は座ることらしい・・・と猫がわかってくると「お座り」と言ったら座るというように言葉と行動が一致するようになります。はじめは、1 分~3分位の短い時間でトレーニングをやめます
「もっとやりたかったのに!」というタイミングで終わらせることがポイントです。そうすることで、次のトレーニングが待ち遠しくなり、飼い主さんとのコミュニケーションが楽しいものになっていきます。

著者プロフィール - 真壁 律江

資格:CPDT-KA(国際資格)ドッグトレーナー/ 日本ペットドッグトレーナーズ協会理事長。ドッグトレーニングには「犬にきちんと順番通り教える事」「犬のやる気を育てる事」「犬の興奮度をコントロールする事」が重要と考え「パピーからの教育」を指導すると共に、犬とのコミュニケーションアップにドッグダンスを推奨し普及も行っている。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす”をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)