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【住】ペットも人も心地よい住まい|第5回

猫のための安全なお部屋づくり

柔軟で身体能力が高く空間を立体的に移動できる猫は、室内暮らしとはいえ、その行動範囲の広さから思わぬことが危険につながってしまう事があります。
居心地のいい猫のための空間づくりは、安全であることが大前提!
そこで今回は気をつけたい場所やモノ・コトを具体的にお伝えしていきます。

危険がいっぱい!キッチンまわり

まずは火気についてです。火そのものは猫も危険を察知しますが、高温の鍋や調理直後の五徳に猫が触れて火傷したケースもあります。調理中の危険はもちろんのこと、調理後も、危険な目に合わせないように注意が必要です。

シンクは、その深さがちょうど猫が体をかくすのにちょうどよく、隠れ家にしている猫もいます。
ほほえましい光景かもしれませんが、三角コーナーや排水カゴの生ごみを漁ってしまうと、食中毒の危険も出てきます。
洗いものの包丁や割れるガラスや陶器の食器も危険ですね。

またキッチンには冷蔵庫や棚にいれずに置いておきがちな食材もたくさんあります。
例えば猫が食べたら危険な玉ねぎなどのネギ類、調味料やスパイス、チョコやキシリトールガム、薬やサプリメント、レーズンやナッツ類などです。

キッチンカウンターの上にも軽々上がれてしまう猫。
キッチンを使用しない時は、シンクの上にフタをしたり、生ごみはふた付きのごみ箱へ。
調理器具や食材は引出しや棚にしまう、調味料やスパイスは落下しない場所に移動するなど、整理整頓をこころがけてください。
ちょっとした配慮が危険防止につながります。
特に幼い猫は好奇心旺盛で、色々なことに興味を持ち行動するので、幼い猫がいる家庭は対策をしておきましょう。

その他にも危険はいっぱい!

飼い主の想像をはるかに超えた動きをすることもある猫。次のような日常の中に潜む危険にも、よく注意を払い対策をしておくとよいでしょう。

猫用パーテーション/写真提供:www.56nyan.com

「脱走」

玄関や窓辺からの脱走に注意。
特に日常的に開閉する玄関ドアの手前には、天井高まであるような猫脱走防止用パーテーション※やフェンスを設置すると、玄関が開いた時にうっかり飛び出してしまうのを防ぐこともできます。
※ 伸長力により、天井クロス等が傷つく恐れがあります。傷がつかないよう、物を挟む等の対策をお願いいたします。

「香料」

消臭剤や清掃用の製品など家庭用の様々な製品には香料が入っています。それが天然由来のものであっても分量によっては猫には危険。臭いの強い製品は避け、できるだけ無香料の製品を選びましょう。

「観葉植物」

食べたら危険なものが多い観葉植物は、猫が歩いたり飛びついたりできる場所を避けて配置するか、もしくはフェイクグリーンなどを利用しましょう。

「小物類」

誤飲につながる小物類は収納家具や収納ボックスへ。綺麗な空き箱などを活用し、ポンポンといれておける場所をつくると、手間なく安全をキープすることができます。

まとめ

猫の行動には、当然「個性」があります。ライフステージ(年齢)でも、その行動は変わってきます。愛猫の行動を知り、また、もしかしたらと、その先の行動をイメージして空間を見直しながら、危険を回避して安全、快適なお部屋作りをしてくださいね。

著者プロフィール - 二村 陽子

トリマー建築家。1級建築士、A 級トリマー(青山ケンネルスクール卒)、愛玩動物飼養管理士1級、日本ドッグインストラクター協会認定ドッグトレーナー。 トリミングサロンを運営しながら、ペットとすごす空間の設計(トリミングサロン・ペットホテル・ドッグラン・動物病院など店舗やペット共生マンション監修)を行う。 トリミングサロンでは、「犬と人、共に幸せ」をコンセプトに、シャンプーレッスンや、ドッグトレーニングなど各種のイベントを開催。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす”をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)