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【遊】ペットも人もしつけは遊び!|第2回

猫の狩猟本能を掻き立てる遊び

私はドッグトレーナーですが、猫も大好きです。猫は飼ってみて面白さが初めて分かる魅力的な生き物だと思います。我が家には、15歳の猫と11歳の犬が同居していますが、猫と犬のボディランゲージが若干違い、犬にとっては?ということがあるようです。犬のトレーニングでは、犬の行動を理解し、犬を観察し、気持ちを理解することを心掛けていますので、猫についても同じように行動学の面からお話をしたいと思います。

犬と猫は表現方法が違う!

犬は人間と同じように群れを作る生き物です。群れのメンバーとうまくつきあうためにボディランゲージを発達させてきました。例えば、人ではニコッと笑い会釈をする、犬では目を輝かせ耳を伏せ尻尾を振る、という行動は親愛の情や友好の気持ちを表しています。
犬のボディランゲージは群れの中でのイザコザを事前に回避するために「友好的な表現だから誤解しないでね」という意味を伝えるために、比較的分かりやすいものが多いと思います。

一方、猫は群れを作らず単独で狩りをして暮らす生き物ですので、友好的な気持ちを伝えるボディランゲージが発達しにくかったと考えられており、表情も読みにくいものとなっています。猫の顔はリラックスしているか警戒しているかのどちらかで、耳の位置、目の様子、ひげの向き、口の形などの組み合わせで気持ちを表現しています。

“狩り”遊びでストレス解消!

しかし、社会性がないと言われている猫たちも生後7週齢までに他の動物(猫や人間だけでなく犬や鳥なども)と触れ合う機会があれば、一緒に社交的に暮らすことができます。子猫の時から人と一緒に暮らしている猫達は、人の家に住み、食べ物と愛情を与えてくれることに満足し、人間に仲間意識を持って生活しています。人間の家が縄張りで、狩りをしなくても食べ物が手に入り、危険なことがない生活、猫にとって理想的で快適な生活のはずですが、実は猫には快適すぎて暇、「狩り」という本能が満たされずストレスが溜まってイライラし、時には問題行動を引き起こす原因となることがあります。

そこで、やっていただきたいのが猫を遊ばせることです。段ボール箱や紙袋( 取手は外す) などは猫が自分から入って遊びますし、一緒に遊べるタイプのおもちゃで狩りの欲求を満たすような遊び方をするのもお勧めです。釣り竿の先にヒラヒラの布をつけたり、猫じゃらしの先を見え隠れさせて追わせたりします。この遊びで重要なのは、狩りに成功したという自信を持たせてあげる事、何回かに1 度は必ず捕まえさせてあげないと猫も挫折感を味わいます。最後は派手に勝たせて遊びを終わらせてください。そのおもちゃは一人遊びをしないように片づけて、次の狩りの時間までしまっておきましょう。猫の本能を上手にくすぐって満足させてあげてください。

著者プロフィール - 真壁 律江

資格:CPDT-KA(国際資格)ドッグトレーナー/ 日本ペットドッグトレーナーズ協会理事長。ドッグトレーニングには「犬にきちんと順番通り教える事」「犬のやる気を育てる事」「犬の興奮度をコントロールする事」が重要と考え「パピーからの教育」を指導すると共に、犬とのコミュニケーションアップにドッグダンスを推奨し普及も行っている。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす”をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)