犬も乗り物酔いをするの?その対策は?
お出かけが楽しい季節になりましたね。愛犬と車などの乗り物に乗って出かける機会が増えたという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そこで知っておいてほしいのが、犬も乗り物酔いをするということ。
では、愛犬との楽しいお出かけを気持ちよく過ごすにはどうしたらいいのでしょうか??
今回は犬が乗り物酔いする原因や症状、対策についてご紹介したいと思います。
乗り物酔いとは?

乗り物酔いとは、車や船、飛行機などに乗った時にその揺れによって起こる症状で、動揺病(どうようびょう)とも呼ばれます。
犬の乗り物酔いでは、人間と同じく気持ちが悪くなり、ひどくなると嘔吐などの症状を伴います。
乗り物酔いの症状

犬の乗り物酔いの症状
- 落ち着きがなくなる
- 心細げに鳴く
- 吠える
- あくびをする
- よだれを垂らす
- 震える
- 嘔吐する
- ぐったりする
こういった症状が見られた時は、乗り物酔いを起こしている可能性があります。
犬は人間と違って、気持ち悪いなどの症状をうまく伝えることができません。
愛犬を乗り物に乗せる際は、様子に異変はないかこまめにみてあげましょう。
乗り物酔いの原因

① 揺れ
犬の乗り物酔いの大きな原因のひとつは、揺れです。
揺れによって自律神経や平衡感覚が乱れ、乗り物酔いの症状が引き起こされます。
② ニオイ
③ ストレスや乗り物酔いの記憶
乗り物に慣れていない犬は、不慣れな場所にいるだけでストレスに感じる子もいます。
また、一度乗り物酔いをしたことのある犬は、乗り物に乗る=嫌なことと記憶し、その記憶から乗り物に乗るとストレスを感じて症状が出てしまうこともあります。
乗り物酔いしてしまった時の対処法

犬が乗り物酔いをした場合、以下の対処法を実施しましょう。
- 窓を開けられるなら開ける
- 新鮮な空気に入れ替える
- 乗り物から降りて休憩する
乗り物から降りても元気にならない場合は、はやめに最寄りの動物病院を受診することをおすすめします。
愛犬の嘔吐や下痢にいざという時に対応できるよう、ペットシーツやウエットティッシュなどを用意しておき、冷静に対処できるといいですね。
乗り物酔いの予防
乗り物酔いに対しては、治療をするよりも「予防」が大切です。
辛いのは人間と同じで、苦しいのは元より体力も消耗します。嘔吐することで脱水症状を引き起こしたり、呼吸困難や肺炎を引き起こすリスクもあります。

① 酔い止め薬
2007年に世界初の犬の乗り物酔い予防薬が発売されました。有効成分はマロピタントです。
この予防薬の発売により、乗り物酔いによる嘔吐の予防は大幅に改善しました。
要指示薬で 、獣医師等の処方箋・指示により使用することが義務付けられています。かかりつけの動物病院で相談しましょう。
錠剤は投与してから1時間で効果がでるので、乗り物に乗る1時間以上前に投与しましょう。
マロピタントは鎮静成分が入っていないので、眠くなったり元気がなくなったりしません。旅先でも楽しく過ごせるのがメリットです。
② 空腹と満腹は避けましょう!
満腹状態は乗り物酔いになりやすくなります。しかし長時間の絶食でも吐きやすくなることがあります。
食事は少量のフードを、出発の2〜3時間前までに与えるようにしましょう。
③ 運転方法による予防
揺れや加速減速が激しいほど、乗り物酔いになりやすくなります。
乗り物酔いが心配な場合は、最大限優しい運転をするように心がけましょう。
まとめ

愛犬とのせっかくのドライブやお出かけも、体調が悪ければ楽しめません。
乗り物酔い対策は愛犬を守るだけではなく、飼い主との楽しい思い出を増やすためでもあるのです。
対策をしっかりして、愛犬とのお出かけを楽しみましょう。
石村先生のわんわん診察室

石村拓也先生プロフィール
シリウス犬猫病院(川崎市中原区)院長。東京農工大学卒業後、横浜市の動物病院にて勤務。2017年3月、東急東横線元住吉駅そばにて現院開業。皮膚や耳の症例に精通しており、難治性の疾患で遠方から来院する患者も多い。日本獣医皮膚科学会所属。
