建替え実績

同潤会
江戸川アパートメント
建替え事業

30年来進まなかった、築67年のアパートメントの建替え

  • Before6階建て・4階建て(2棟)
    延床面積12,270㎡
  • After11階建て(1棟)
    延床面積20,211㎡

    検討開始から30年間
    進まなかった建替えを実現

    江戸川アパートメントは関東大震災後の義捐金によって設立された「同潤会」によって建築された共同住宅「同潤会アパート」の最後の1棟として1934年に建築されました。他の同潤会アパートと同様に、当初は賃貸住宅でしたが、最終的には居住者に払い下げられる形で区分所有建物となっていました。竣工当時には、エレベーターや水洗トイレなど最先端の設備から「東洋一のアパート」と呼ばれていましたが、老朽化による外壁の剥落、ガス漏れや電気容量の不足、さらに2棟のうち1棟に傾斜(建物の傾き)が確認されたことなどから1960年代には建替えの検討が始まりました。しかし、大幅な床面積の増加が見込めないことや多数の区分所有者の存在から合意形成活動は難航(管理組合は当初、全員合意による建替えを目指していました)。区分所有者の転出も進み、建替え検討中であったことから修繕もできないなか、築60年を超えた建物は構造・設備ともに著しく老朽化していました。

    建替え実現のため、
    当時リスクが大きいと思われていた
    建替え決議を選択

    建替えの検討開始から30年以上が経過した2001年に当社が事業協力者として参画しました。区分所有者の中には、過去の経緯から計画や進め方について様々な意見があり、頓挫の経験から建替えの実現に懐疑的な方も多くいらっしゃいました。当時は区分所有法の改正前で、マンション建替円滑化法も制定されていなかったため、建替え決議には訴訟リスクもあったことから、全員合意による建替えが一般的でした。同潤会江戸川アパートメントでも当初は全員合意による建替えを目指しましたが、全員の納得を得ることができず、最終的に区分所有法に基づく建替え決議が選択されました。当社では、区分所有者の皆様との個別面談や専任の高齢者サポート担当の配置等の活動を進め、2002年に建替え決議が成立。区分所有者様の一部から建替え決議の有効性に関する訴訟が提起されましたが、無事に解決し、翌2003年に着工しました。建物計画では、従前建物の素材や意匠を生かした共用部や区分所有者の皆様の愛着が深かった従前建物の中庭を回遊式の屋上庭園で再現するなど、建物の歴史と区分所有者の皆様の想いを反映したデザインを実現しています。

    お問い合わせ

    お電話でのお問い合わせは

    受付時間:平日9:00〜18:00