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シニア期セミナーレポート

『わが子の将来』を考えるセミナー【対面型】

2023.3.12 THE SHARING 渋谷神南2A(東京都渋谷区)

  • 近年ではペットの寿命が延びていますが、それに対してペットの老後や介護についての情報があまりないのが実情です。
    そこで、今回は『わが子の将来』を考えるという、初めて“ペットの老後”をテーマとしたセミナーを対面型とオンラインの両方で開催。
    ここでは渋谷会場で行われた対面型セミナーの様子をレポートします。

  • 対面型セミナーの講師は「わんちゃんの部」「ねこちゃんの部」ともに、都市型老犬・老猫ホーム“東京ペットホーム”代表の渡部帝先生です。

「わんちゃんの部」

旭化成スタッフからのセミナー開始のご挨拶の後、参加者様に自己紹介・愛犬紹介をしていただきました。実際にシニア犬を飼っている方だけでなく、1才や3才といった若いわんちゃんの飼い主様の参加も見られました。

  • 渡部先生が最初に話されたのは、老犬ホームの変遷、そして先生が都市型老犬ホームを開業するに至るまでの想い。そこから飼い主が愛犬を手放す理由を知り、さらに人間と比較した犬のシニアステージについて学ぶことで犬の老い方についてイメージします。

  • 東京ペットホームにおける要介護になりやすい犬種の統計や、視力低下に始まる一般的な犬の老化のプロセスを知ることで、わが子の将来についてさらにリアルに考えることができたようです。

  • 老犬ホームで使用しているグッズの紹介や、実際に行っている工夫についてもお話がありました。

食欲が減退した時に老犬ホームで行う対処法や、ホームで介護を行う際のポリシーについてなど内容は広範囲に及び、皆さん、メモを取るなどして真剣に先生のお話を聞いていらっしゃいました。
終盤には介護破綻を回避するための飼育環境の再点検を行い、老犬ホームで看取った実例の紹介を通じてわが子と最期まで笑って暮らすためには何が大切かを学びました。

  • セミナーの締めくくりには先生から「愛犬は自分より先に老いて死ぬということを受け入れておいてください。すべてを飼い主に委ねる犬の介護は赤ちゃんのお世話のようで、老犬ならではの可愛さがあります。その時にしか味わえないと楽しんでください」とメッセージ。

  • 休憩時間には、実際に老犬ホームで使用しているグッズを触って確かめる参加者様の姿も見られ、関心の高さが伺えました。

  • 質疑応答では「犬は認知症になると性格が変わることがあるか?」「犬が苦手と思われるご近所との付き合いについて」「年齢によってごはんは変えた方がいいか?」「老犬と若い犬の多頭飼いについて」などさまざまな質問が飛び出しました。

  • セミナー終了後は老犬介護を自分事として考えた時の疑問や質問を直接話したいと、次々と参加者様が渡部先生のもとへ。

  • 老犬介護経験のある旭化成スタッフに、ペット介護の金銭面のことや具体的な介護内容について質問をしている方もいらっしゃいました。

<参加者様の感想>

  • 愛犬の老後について改めて考えることができた。
  • 介護することの心構えを勉強できたので、これから愛犬の日々の様子をしっかり観察していきたい。
  • 犬の老いに対して今から準備できることがたくさんあるという大きな学びの時間になった。老いを悲しまず、老いた愛犬を可愛いと思える介護ができたらいいなと思った。
  • 介護というとマイナスのイメージばかりだったが、渡部先生の「その時にしかできないスキンシップだから楽しんで」というメッセージが印象に残った。
  • 犬の介護について具体的に学べてよかった。
  • なかなか老犬介護について学ぶ機会はないので色々とお話を聞けて良かった。実際のイメージができたことで役に立った。
  • 犬が高齢になることを受け入れられず不安が強かったが、その対処法や心構えを知って少し心が楽になった。
  • ぼんやりとしか将来のことを考えていなかったが、具体的なイメージと心構えが持てて非常に参考になったし、健康寿命をのばすための意識につながったと思う。

「ねこちゃんの部」

ねこちゃんの部も参加者様の自己紹介からスタートしました。若い猫を飼っている飼い主様が多く、渡部先生が「皆さんの意識の高さに驚かされました」とおっしゃっていました。

  • 老猫ホームの歴史、そしてかつて半外飼いだった猫と現代の室内飼いの猫とは、老後の在り方が違うという解説から先生の講義が始まりました。
    先生の実感として、猫は衰弱した時ほど飼い主に甘える傾向にあるそうです。

  • 一般的に、犬に比べ猫は介護の必要性が低いとされていますが、年を取った猫への快適な日常生活のサポートとして必ずと言っていいほど直面するのが“トイレ問題”だそう。前脚の力が衰えた時の対策を、グッズ紹介を含めてさまざまにレクチャーしてくださいました。

猫が突然食べなくなった時の対処法やよくある疾病についてのお話もあり、皆さん真剣な表情で耳を傾けていました。
人間と猫における時間経過の感覚の違いについては、改めて「なるほど」という気付きがあったようです。

  • 「飼いやすいはずの猫を老猫ホームに預ける理由を検証すると、ほとんど人間側に原因があるんです」と先生。その理由を知ることで猫の寿命が延びている現状を把握し、飼い主としてやらなければいけないことを改めて見直すきっかけになったのではないでしょうか。

  • セミナーの最後には先生が作成した『愛猫の老後を考えるためのチェックリスト』を実施し、自分自身にリスクがどのくらいあるかをセルフチェック。
    渡部先生は「猫にとってはパパやママと一緒に自分の家で暮らせることが幸せなので、長寿への備えをして飼い主が元気でいることも大切です」と締めくくりました。

  • 休憩時間中には、展示された介護グッズを熱心にご覧になっている飼い主様が多く見られました。皆さん、老猫ホームで使っているグッズに興味津々です。

  • 質疑応答では「老猫ホームで安全面において配慮していること」「シニア猫の階段の上り下りについて」「グルーミングをしなくなった老猫のシャンプーについて」などの質問がありました。
    さらに「猫のおむつについて知りたい」という声に対しては実際に老猫ホームでスタッフが手作りしている猫用おむつの作り方の紹介があり、プラスアルファの情報も得ることができました。

セミナー終了後は、積極的に先生に質問をしにいったり、参加者様同士で情報交換をしたりする姿があちこちで繰り広げられていました。これこそ、対面セミナーの醍醐味ですね。

<参加者様の感想>

  • 実際にシニア猫の世話・看取りをされている方のお話を聞くことができ、大変勉強になった。
  • 猫のために飼い主が健康で、経済的に余裕のある状態を維持しなくてはならないと思った。
  • 猫の老いとの向き合い方、老いさせないための工夫などを知ることができて良かった。外に慣れさせるようにしたい。
  • 猫の寿命が長くなり、15歳以上まで生きる猫の多さにびっくりした。まだ先の話かもしれないが、覚悟を持って猫との生活を続けていきたい。
  • 猫の老後なんてまだ先の話かと思っていたが、今から考えても遅くはないと感じた。実家の愛猫が20歳だが、先生がおっしゃったことがすべて納得と共感だった。
  • 猫ならではの介護の注意点や、実際に老猫ホームで使用している介護用品などにも触れられて、とても勉強になった。
  • 周りの人に今日の内容を伝えたい。
  • 猫を看取ったことがないので、実際どういう世話が必要か具体的にイメージでき勉強になった。
  • まだ猫を飼い始めたばかりだが、今後の飼い方の参考になるかと参加した。話を聞いて今からでも想像することがリアルにできたし、猫との生活で将来を考えながら自分の生活も見直していくべきだと思った。
  • 猫の時間軸を知ることで「何か変化があったら早めに医者に連れて行った方がいい」という漠然とした知識に裏付けができた。猫と人間の違いから犬との違いまで知れて参考になった。さまざまな老猫サービスがあると知ることで、いろいろなことを踏まえた選択肢が増えた気がする。
  • 老猫介護をやっている友人がいるので、今日の情報をシェアしたい。

初の「ペットの老後について」取り上げたセミナーでしたが、実際に数多くの老犬・老猫の看取りを行った渡部先生ならではの視点を含めたお話には説得力がありました。参加者様にとっての学びも多かったようで「わんちゃんの部」「ねこちゃんの部」ともに高い満足度となりました。ぜひ、今回得た知識をこれからの愛犬・愛猫との生活に活かして、楽しく悔いのないペットライフにつなげてくださいね。
アンケートでは今後取り上げてほしいさまざまなテーマの記載がありましたので、それらを参考に今後もペットとの暮らしに役立つ学びの機会を設けていく予定です。皆さまのまたのご参加をお待ちしています。

  • 午前:わんちゃんの部

  • 午後:ねこちゃんの部