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【医】おうちケアで病気を予防|第13回

車酔い対策をして、愛犬とのドライブをもっと楽しく!

アウトドアシーズン、到来!今年も愛犬と一緒にキャンプやハイキングに出かけて、楽しい思い出をたくさん作りたいですよね。
「でも、うちのコは車酔いがひどくて…」。そんな悩みを持つ飼い主さんはいませんか?
今回は、車が苦手な愛犬が楽しくドライブできるようにするための「車酔い対策」についてお伝えします。

犬が車酔いをしてしまうのはどうして?

犬の車酔いには、「あくび」「よだれの量が増える」「心細そうに鳴く」「嘔吐する」などの症状がみられますが、こうした車酔いの症状はどうして起きるのでしょうか。それは、車が不規則に加速したり、ブレーキをかけて減速したりを繰り返すことや、揺れることで三半規管や耳の前庭が刺激され、バランス感覚が乱れてしまうことによると言われています。

これ以外にも、車のにおい、エンジンの音、かつて車に乗ったときに経験した嫌な思い出(たとえば、病院に行って痛い思いをしたといった精神的なストレス)なども、車酔いに関係していると考えられています。

愛犬の車酔いを防ぐための対処法

それでは、車酔いのつらい症状から愛犬を守るにはどうしたら良いのでしょうか。
3つの対処法をご紹介します。

出発直前の食事は避ける

車でお出かけする日の食事は、車に乗せる2時間くらい前までに軽めに済ませておきましょう。ただし、空腹すぎる状態で載せるのもよくありません。
空腹状態のときは嗅覚が過敏になるので、車の排気ガスの匂い・車内にこもった匂いなどが引き金になって、車酔いを起こしやすくなると言われています。

キャリーを活用して揺れの影響を最小限に

走行中の車内では、車酔いの原因とされる「揺れ」の影響を最小限に抑えるために、愛犬は車内で自由にさせておくよりも、キャリーやクレートの中で過ごすようにさせるといいでしょう。
その際、キャリーやクレートを進行方向に向かってしっかり固定すると、車の揺れが軽減されます。

車に乗ると良いことがあると思わせる

動物病院にいくときにだけ愛犬を車に乗せている場合、もしかしたら愛犬に「車に乗る=嫌なことが起こる」という印象が植え付けられてしまっているかもしれません。そうなると、車に乗ること自体がストレスになって、車酔いを起こす可能性があります。
車に乗ることがプラスのイメージになるように、例えば、近場のドッグランに連れて行って思い切り遊ぶなどして、「目的地に良いことがある」と認識させましょう。

こうした対処をしても、どうしても車酔いがひどくてつらそうなときや、長時間のドライブが必要な場合には、獣医師に相談して酔い止めのお薬をもらうという方法もあります。

まとめ

今回は、愛犬とのドライブを今まで以上に楽しむための車酔いへの対処法をご紹介しました。
車酔いをしやすい犬が、大好きな飼い主さんと楽しい思い出をたくさん作るための対処法、ぜひ活用してみてくださいね。

著者プロフィール - 高垣 育

薬剤師、ライター。星薬科大学卒業後、調剤薬局や医療専門の広告代理店の編集・ライターの経験を経て、2012 年にフリーランスの薬剤師ライターとして独立。また自身の愛犬を肺がんで亡くした際に、体調の変化に気付けなかったことに自責の念を覚え、以来動物と人の医療に関わる記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす” をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)