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ドッグトレーナーのわんポイントレッスン

ドッグトレーナーのわんポイントレッスン 第12回

自分に合った犬の選び方③『性別』の選び方

こんにちは!ドッグトレーナーの佐久間です。
今回は、前回お話しできなかった『性別』の選び方についてお話させて頂きます。
それでは早速お話していきましょう!

3.『性別』によっての違い

自分に合った犬を選ぶ際に、『性別』も重要な判断材料になります。
ここではオス、メスそれぞれの【特徴】と【去勢・避妊手術】についてお話し致します。

【オスの特徴】

① しつけが難しい

オスはメスよりも比較的しつけが難しい傾向があります。
その為、犬を初めて飼う方や、しつけに対して不安がある場合はメスを選ぶ方が良いでしょう。
ただし、去勢手術を行うことで、しつけがしやすくなる場合がありますので、検討してみるのも良いでしょう。

気の強い犬の場合、反抗的な態度をとる事があります。

② 運動量が多い

基本的にオスはメスよりも体力があります。
その為、犬の散歩にあまり時間が取れないと運動不足から問題行動に発展してしまうことがあります。
逆に、犬と一緒に出かけたり遊んだりすることが好きな方には、オスの方が向いているかもしれません。

オスでもメスでも、運動不足にはならないように注意しましょう。

③ 他のオスと争うことがある

オスはメスよりも支配欲が強い個体が多く、支配欲が強い犬同士はケンカをする可能性が高いです。
そうならないためには、まず小さい頃から社会性をしっかりと学ばせてあげる事と、飼い主がその犬に対してちゃんとリーダーシップを発揮してあげる事が重要です。
それでも他の犬とのケンカが絶えない場合は、去勢手術を行うことで支配欲を抑えることが出来る場合があります。

④ 身体が大きい

同犬種の場合、メスよりもオスの方が身体は大きくなりやすく、体重も重くなりやすいです。
身体が大きくなれば、その分引っ張る力が強くなりますので、中型犬以上の飼育を考えている場合、散歩をさせるのは誰になるのかを考えて決めるようにしましょう。

同胎の兄妹犬。左がメスで右がオスです。
この様に、オスの方が身体は大きくなる傾向があります。

【メスの特徴】

① 性格的に穏やかになりやすい

メスはオスに比べると、成長によって性格的に落ち着くのが早い傾向にあります。
その分、しつけもオスに比べるとしやすいと言えるでしょう。
犬を飼うのが初めての場合や、活発な犬が苦手な場合は、メスから選ぶと良いでしょう。

② ヒート期間(繁殖期)がある

犬種や個体差にもよりますが、基本的には年に2回、1ヶ月ほどのヒート期間があります。
時期が近づくと陰部が膨れてきて、出血が始まります。出血している期間は個体差がありますが、だいたい1~2週間ほどなので、家具や部屋が汚されないように、オムツなどで対処してあげると良いでしょう。

このようにサニタリーパンツを履かせておいてあげれば出血による汚れにも安心です。

ヒート中は去勢していないオスがニオイに反応して、興奮してしまいます。
メスとは挨拶程度なら問題ないですが、じゃれ合ったりするとニオイが移ってしまいます。
その為、他の犬との接触(特に未去勢のオス)は避けるようにしてあげましょう。

また、ヒート中はペットホテルやドッグランなど、施設の利用が出来ない可能性がありますので、注意が必要です。

【去勢・避妊手術】

去勢・避妊手術についてもメリットとデメリットがあります。
ご家族で話し合う際に、以下の事を参考にして頂ければと思います。

◎ メリット

  • オスの場合、オスとしての本能的な行動(例えばオス同士の争いやマーキング、またはメスに対してしつこくしたりする行動など)を抑えられる可能性があります。ただし、マーキングなどは、癖がついてしまうと改善されない場合もあるので、注意が必要です。
  • メスの場合、ヒートがなくなるので、衛生管理がしやすくなりますし、ペットホテルなどの施設を利用するにあたり、制限されることが無くなります。

ヒートが無ければ、いつでもペットホテルの利用が可能なので突然の用事ができても安心です。

  • 子宮蓄膿症や前立腺肥大など、手術によって予防できる病気があります。これらの病気は5歳くらいから発症の確率が高くなってくるので、予防の為ならばそれまでに手術するようにしましょう。

▲ デメリット

  • 全身麻酔の手術になるので、手術自体にリスクを伴います。特に超小型犬はリスクが高くなるので、注意が必要です。
  • ホルモンバランスの変化により、太りやすくなります。犬が欲しがるからといって、食欲に合わせておやつなどを与えすぎてしまうと、どんどん太ってしまいます。日頃からの食事制限と適度な運動を心懸けるようにしましょう。

家の近くに犬が走れる場所があるかどうかも考えておきましょう。

いかがでしたか?
前回の『年齢』に引き続き『性別』についてお話しさせて頂きました。

次回は『性格』と『育ってきた環境』についてお話し致します。お楽しみに!

著者プロフィール - 佐久間 力

ドッグトレーナー、ペットアドバイザー。1981年、千葉県生まれ。2006年に専門学校東京スクール・オブ・ビジネス ペットビジネス学科卒業。現在は目黒区のペットサロン「Grunewald(グルーネヴァルト)」で店長兼トレーナーとして勤めている。