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【住】ペットも人も心地よい住まい|第1回

猫のストレスにならない室内工夫

大好きな猫のために部屋に工夫を凝らしている飼い主さんは少なくないと思います。
ただ猫の特性を知らずに行うことで、逆にストレスになっていることもあるのです。
今回は猫にとってストレスにならず、過ごしやすいお部屋にするには、をテーマにお話します。

猫が住むお部屋の工夫は「やりすぎない」こと!

猫の完全室内飼育が広まって、趣向を凝らした室内飼育の工夫が見られるようになりました。
猫は犬と違って、外出して社会活動をする必要はありませんし、むしろ、テリトリーから出るのは苦手なので、室内から出なくて むのは猫にとっても都合の良い事にもなります。

室内飼育で、気をつけなければいけないのは、運動不足と退屈。様々な病気の素になる肥満は、運動不足と退屈が最大要因です。退屈だから食べることに執着したり、色々な物を探って破壊したりすることにもなるのです。運動と心の刺激による健康促進を図るために、住空間の工夫が必要なのです。
ただし、やり過ぎは禁物です。
趣向を凝らした様々な室内工夫には、「閉じ込めて可哀想だから」という思いがあるのか、やり過ぎてしまっているものも多いようです。あれやこれや設備や猫用家具を増やして揃えるのは、掃除が行き届かなくなりやすいもの。また、部屋が狭くなるので、人の快適性が落ちてきます。
家族全員の健康を考えるためには、猫用の施設や家具は、「猫にとって必要なものを、必要なだけ」が快適な猫との住まいのコツですよ。

こんな工夫が猫のストレスに?!

実は猫にとって、生活する場所が一見して見渡せてしまうような場所は、退屈で逆にストレスになってしまいます。猫にとっては、高級な猫用インテリアなどで趣向をこらした一部屋より、何もしていない二部屋を自由に出入りさせてあげた方が、喜ばれるでしょう。
さらに、好奇心を満足させるためには、何かしら目新しいものを持ち込むというようなちょっとしたことが効果的です。よかれと思ってガラッと部屋の模様替えをするのは猫にとってはストレスになりますから、気をつけましょう。例えばソファーの向きをたまに変えてみるような小さな模様替えや、通販の段ボール箱をすぐ捨てず、しばらく積み重ねてみるなどはお手軽ですし、環境の変化がストレスになりやすい猫には、負担にはならずに嬉しい刺激です。

著者プロフィール - 金巻 とも子

空間工房主宰。一級建築士、一級愛玩動物飼養管理士(ペットケアアドバイザー)、家庭動物住環境研究家。日本建築学会関東支部材料施工専門研究委員会ユニバーサルデザインWG 委員、特定非営利活動法人アナイス環境部会理事。住宅・店舗のほか、家庭動 物との健康なくらしをテーマにした建築コーディネーターとして住まいの観点からアドバイスを行なっている。

協力:ONE BRAND(“犬と暮らす”をもっと豊かにするライフスタイルマガジン)